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「性来〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

性来の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
じゅりあの・吉助」より 著者:芥川竜之介
ら、土地の乙名三郎治《おとなさぶろうじ》と云うものの下男《げなん》になった。が、性来|愚鈍《ぐどん》な彼は、始終朋輩の弄《なぶ》り物にされて、牛馬同様な賤役《せ....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
むす子が赤子のとき、あんまりかの女達が若い親だったことを思い出した。若くもあり、性来子を育てる親らしい技巧を持ち合せて居ない自分達を親に持ったむす子の赤児の時の....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
ましても、塩断ちまでしましたけれど、どうしても分りません、調子が一つ出来ません。性来でござんしょう。」 師走の闇夜に白梅の、面を蝋に照らされる。 「踊もかい。....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
っとすぐれたのをお世話して下さるものと存じます……。 さてこの天狗と申すものの性来――これはどこまで行っても私どもには一つの大きな謎で、査べれば査べるほど腑に....
博物誌あとがき」より 著者:岸田国士
作曲した。「孔雀」「蟋蟀」「白鳥」「かわせみ」「小紋鳥」の五つである。ルナールは性来の音楽嫌いを標榜しているが、皮肉にもその作品が世界中の美しい喉によって普く歌....
赤格子九郎右衛門の娘」より 著者:国枝史郎
お命を害めんためお菊殿共々お屋敷へ住み込み、機会を窺って居りました次第。とは云え性来の海賊ではなく産れは播州赤穂城下、塩田業山屋こそは私の実家でござります。……....
光は影を」より 著者:岸田国士
ていられない。法的な責任がないということは、身をかわすなんの口実にもならぬ。彼の性来の気質にもよるのであろうが、肉親の不幸は、なんとしても彼の胸をかきむしる無言....
式部小路」より 著者:泉鏡花
件じゃありませんか。ええ、おかみさん。 私等が口を利くにゃこっちの姉さんの氏素性来歴を、ちゃんと呑込んでいなかった日にゃ、いざッて場合に、二の句が続かないだろ....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
に生れて新家を立てたが、若い中に妻に死なれたので幼ない児供を残して国を飛出した。性来|頗る器用人で、影画の紙人形を切るのを売物として、鋏一挺で日本中を廻国した変....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
であった。が、世間には発表しなかった。その発表しなかった理由は不明であるが、多分性来の自重心が軽々しく公けにするを欲しなかったのであろう。その時分またビェリンス....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
屋へ通っている様ならば、少しく警戒を加えねばならぬ。彼のお葉という女は、どんな素性来歴の者か知らぬが、豪家の息子を丸め込んで、揚句の果に手切れとか足切れとか居直....
書を愛して書を持たず」より 著者:小川未明
庫というような廉価本で用を達しています。読んでしまえば、それでいゝようなものゝ、性来の潔癖もあって、汚れたのや、破れたのは、どうしても手に取る気がしません。少な....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
。」それはほんの何の気もなく、むしろ親和の心で私は微笑していったのが、それが彼の性来の癇癖にきつく障ったらしい。私には答えないで、すぐに、隣りにいる人に向って、....
俗臭」より 著者:織田作之助
な姪の幸福をさまたげるのなれば、自分は犠牲になるといった。 「どうせ、私は不幸の性来ですよって、覚悟はしてます」 その心根がいじらしいと思った千恵造は益々賀来....
早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
と凝視して来た無言の観察者であったのだ。どこの何者とも知れない一人の男が――私は性来無口で、そんなに長くその店へ行きつけているけれど、滅多に誰とも口をきくことも....