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怨ずる
「怨ずる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
怨ずるの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
くない響を伝えたのは、果して私の気のせいばかりだったでしょうか。いや、この時半ば
怨ずる如く、斜《ななめ》に彼を見た勝美《かつみ》夫人の眼が、余りに露骨な艶《なま....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
かイーエとか答えるだけだった。時々血の気の失せた蒼白い顔を上げて、長い睫の下から
怨ずるような、憤るような眼を刑事達に投げかけていた。 静子の訊問はこの日を皮切....
「女客」より 著者:泉鏡花
はるばる一人旅で逢いに来たんじゃありませんか、酷いよ、謹さんは。」 と美しく打
怨ずる。 「飛んだ事を、ははは。」 とあるじも火に翳して、 「そんな気でいった....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
た顔になって来て、べそをかいて、涙を目にためたなんてかいてないわ。白いような顔を
怨ずるが如くうち傾けて将にこぼれんとする涙をいっぱいに湛えた目で彼を見る、のよ。....
「甲州鎮撫隊」より 著者:国枝史郎
だご懇意に?」 とお力は、揶揄するような口調でいい、その癖、色気を含んだ眼で、
怨ずるように総司を見た。 総司は当惑したような、狼狽したような表情をしたが、 ....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
よいお月夜で 様の頬冠ナー 白々と 二人はしばらく黙っていた。 と、不意に
怨ずるように、お妻が熱のある声で云った。 「ただに酔興で貴郎様を、何であの時お助....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
、荒芽山の音音の隠れ家に道節と荘介が邂逅する一条や、返璧の里に雛衣が去られた夫を
怨ずる一章は一言一句を剰さず暗記した。が、それほど深く愛誦反覆したのも明治二十一....
「正義」より 著者:浜尾四郎
てくれた方がどんなに僕は気が楽だったか知れないじゃないか」 衣川の言葉はむしろ
怨ずるものの如くひびく。 「だから僕はあとで後悔しやしないかと云ったんです。然し....