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怨めしい
「怨めしい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
怨めしいの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
た。しかもこうして顔を突きあわせて、親しく物を言いかけるのは実に四年目であった。
怨めしいと懐かしいとが一つにもつれ合って、かれは容易にことばも出なかったのである....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
つ両腕がうしろへ廻っても、決しておれを怨むな。飛んだ梅川の浄瑠璃で、縄かける人が
怨めしいなんぞと詰まらねえ愚痴をいうな。嘘や冗談じゃねえ、神妙に覚悟していろ」 ....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
引払うことになって、久松もはじめて日本橋の店へ戻ってくると、土地が近いだけに憎い
怨めしい医者坊主めのことが一層強く思い出されます。勿論、小梅にいるあいだも毎日忘....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
から、御新造も旦那様を怨もうとはしなかったのですが、どう考えても相手の女が憎い、
怨めしい。そのうちに一方の病気はだんだんに重って来る。御新造はいよいよ焦々して、....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
この鐘の鳴りますうちは、村里を水の底には沈められぬのでござります。 白雪 ええ、
怨めしい……この鐘さえなかったら、(と熟と視て、すらりと立直り)衆に、ここへ来い....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
から地蔵様が気に入って、明暮、地蔵、地蔵と念ずる。 痛い時、辛い時、口惜い時、
怨めしい時、情ない時と、事どもが、まああってもよ。待てな、待てな、さてこうした時....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
箸を執っても一|向食物が喉に通らない……心の中はただむしゃくしゃ……、口惜しい、
怨めしい、味気ない、さびしい、なさけない……何が何やら自分にもけじめのない、さま....
「三甚内」より 著者:国枝史郎
て眼をひらき、 「親方さん、おさらばでござんす」 甚内の顔を見詰めながら、 「
怨めしいはお前。……恋しいもお前。……二筋道に迷った妾。……冥土へ行ってお父様へ....
「深川女房」より 著者:小栗風葉
一々もっともで、どうもこれ、怨みたくも怨みようがねえ……けれど、俺は理屈はなしに
怨めしいんで……」 「…………」 「何もお光さんで見りゃそんな気があって言ったん....
「黄八丈の小袖」より 著者:岡本綺堂
供にあげられて忌な婿を取らなければならないことになった。思えば思うほど阿母さんが
怨めしい、憎らしい。世間には親の病気を癒す為に身を売る娘もあるそうだが、寧そその....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
う。それを考えると、小坂部は遠い此処までわざわざ自分を送って来た異国の男を却って
怨めしいようにも思われて来た。 「異国のお人、わたしはこなたに頼みがある。どうぞ....
「レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
恋の僕の狂うのをじらして遊ぶ、悪性の姫君のように、気をいらだたせるお心が、私には
怨めしいよりも、なつかしく、また慕わしいとは、よくよくのことでござりまする。(語....
「勘平の死」より 著者:岡本綺堂
方の腕がうしろへ廻っても、決しておれを怨むな。飛んだ梅川の浄瑠璃で、縄かける人が
怨めしいなんぞと詰まらねえ愚痴をいうな。嘘や冗談じゃあねえ。(ふところから十手を....
「山吹」より 著者:泉鏡花
無礼だと、お姑に、重箱を足蹴にされた事もあります。はじめは、我身の不束ばかりと、
怨めしいも、口惜いも、ただ謹でいましたが、一年二年と経ちますうちに、よくその心が....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
ていますけれど、でもまだ不安は去りません。そしてどこまでも私の理想を妨げる病気が
怨めしい心地も起こります。からださえ丈夫ならば、労働は私はたしかに大切な、生活を....