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「怨敵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

怨敵の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
もあった。が、それよりも先にこの三年間、彼に幾多の艱難を嘗《な》めさせた彼自身の怨敵《おんてき》であった。――甚太夫はそう思うと、日頃沈着な彼にも似合わず、すぐ....
猿蟹合戦」より 著者:芥川竜之介
蟹《かに》の握り飯を奪った猿《さる》はとうとう蟹に仇《かたき》を取られた。蟹は臼《うす》、蜂《はち》、卵と共に、怨敵《おんてき》の猿を殺したのである。――その話はいまさらしないでも好《よ》い。....
将軍」より 著者:芥川竜之介
気味の悪い反響を喚《よ》び起した。 「万歳! 日本《にっぽん》万歳! 悪魔降伏。怨敵《おんてき》退散《たいさん》。第×聯隊万歳! 万歳! 万々歳!」 彼は片手....
恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
了海様は塗炭の苦しみをなさっているのじゃ」と、石工が答えた。 実之助は、多年の怨敵が、嚢中の鼠のごとく、目前に置かれてあるのを欣んだ。たとい、その下に使わるる....
時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
動機を捏造《ねつぞう》していることである。すなわち、その共棲がまったく両者共通の怨敵《おんてき》たるオオソリテイ――国家というものに対抗するために政略的に行われ....
桶狭間合戦」より 著者:菊池寛
際に縁起でもないことをわざわざ報告に来たわけである。義元も敗けて居ずに「汝は我が怨敵である、どうして我に吉凶を告げよう」、人間でなくても虚言をつくかも知れないと....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
忘れるから、」 「はあ、私はまた、こんな恐怖え処に落着いていさっしゃるお前様だ。怨敵退散の貼御符かと思ったが。 何か、ハイ、わけは分ンねえがね、悪く言ったのが....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
だ。 要らぬと言えば、黙然で、腰から前へ、板廊下の暗い方へ、スーと消えたり……怨敵、退散。」 と苦笑いして、……床の正面に火桶を抱えた、法然天窓の、連の、そ....
星女郎」より 著者:泉鏡花
られる。寝てから膚を見たは慄然とする……もう目前へちらつく、独の時なら鐸を振って怨敵退散と念ずる処じゃ。」 「聞きようが悪い、お先達。私が一ツ部屋にでも臥ったよ....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
じゃないか。「人を何だと思っていやがるんだえ」 阿Qはこういう種々の妙法を以て怨敵を退散せしめたあとでは、いっそ愉快になって酒屋に馳けつけ、何杯か酒を飲むうち....
生死卍巴」より 著者:国枝史郎
なされ、我ら小枝を奪ったのに対して、こ奴は邪魔立て致そうとしております! 我々の怨敵白河戸郷に、味方を致す人間と見えます! 女子どもを打ち捨ておかかりなされ!」....
血ぬられた懐刀」より 著者:国枝史郎
い。太刀こそ抜いて構えてはいるが、ヂタ、ヂタ、ヂタと後へ引く。 秋安にとっては怨敵である。萩野を奪われた怨みがある。 「こいつばかりは叩っ切ってやろう!」 ....
剣侠」より 著者:国枝史郎
、我等は主君よりお許しを受け、免状までも頂戴致し、公に復讐に参ったものでござる!怨敵は水品陣十郎、その陣十郎をお助けなさるとは、伊達衆にも似合わざる無道の振舞、....
三枚続」より 著者:泉鏡花
いないんです。」 「うむ、まず。」 愛吉は思わずまた吃逆をして、 「ヘッ、いや怨敵退散。真面目な所へ吃逆は情ない。そうじゃあございませんか、深川の家に居なすっ....
人身御供と人柱」より 著者:喜田貞吉
く、珍味嘉肴としてこれを賞玩したとは思われぬ。古代支那人が人を食ったというのも、怨敵を殺してその報い切れぬ恨みをかえすとか、或いは一種の迷信の為に囚われたとかい....