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「怨霊〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

怨霊の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
追憶」より 著者:芥川竜之介
一四 幽霊 僕は小学校へはいっていたころ、どこの長唄の女師匠は亭主の怨霊にとりつかれているとか、ここの仕事師のお婆さんは嫁の幽霊に責められているとか....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
入って、酔ったものは一人も無い。が、どうして勢がこんなであるから、立続けに死霊、怨霊、生霊まで、まざまざと顕れても、凄い可恐いはまだな事――汐時に颯と支度を引い....
電気看板の神経」より 著者:海野十三
に岡安はとび上って何だかわけのわからぬことを呶鳴りちらしては暴れていた。「春公の怨霊め、電気看板に化けこんだって、僕はちゃんと知っているぞ。僕が殺せるんなら、サ....
夜泣き鉄骨」より 著者:海野十三
、生きてる人間のせいじゃないんだ」 「なんだとォ――」 「あのクレーンには、何か怨霊が憑いていて、そいつがクレーンの上で、泣いたり、クレーンを動かしたりするんだ....
自叙伝」より 著者:大杉栄
自身が、しかも最近になって、お化を見た話だ。現にまだ生きてはいるが、しかし確かに怨霊であるだろう女の姿を、真夜中に、半年も続けて見た話だ。 種子を割ってしまえ....
千早館の迷路」より 著者:海野十三
」 帆村は馴々しく老婆に話しかけた。 「行かないがいい、行くんじゃないよ。悪い怨霊が棲んでいるところだよ、村の者はそれを知っているから容易に近寄らねえが、都の....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
はなさそうだ。出た処勝負に石段の上に立ちおったで。」 「己は、魚の腸から抜出した怨霊ではねえかと思う。」 と掴みかけた大魚|腮から、わが声に驚いたように手を退....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
らいのものだったかい。)と怨念に向いまして、お神さんがそう云いますと、あの、その怨霊がね、貴方、上下の歯を食い緊って、(ううむ、ううむ。)と二つばかり、合点々々....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
いう註文でございました。『現世で怨みが晴らせなかったから、良人と二人力を合わせて怨霊となり、せめて仇敵を取り殺してやりたい……。』――これが神さまに向ってのお願....
雪霊記事」より 著者:泉鏡花
――夢のようです。……あの老尼は、お米さんの守護神――はてな、老人は、――知事の怨霊ではなかったか。 そんな事まで思いました。 円髷に結って、筒袖を着た人を....
作画について」より 著者:上村松園
向えば勢い熱情となり立派な仕事を成し遂げるのですが、ひとつあやまてば、人をのろう怨霊の化身となる――女の一念もゆき方によっては非常によい結果と、その反対の悪い結....
一寸怪」より 著者:泉鏡花
怪談の種類も色々あって、理由のある怪談と、理由のない怪談とに別けてみよう、理由のあるというのは、例えば、因縁|談、怨霊などという方で。後のは、天狗、魔の仕業で、殆ど端睨すべからざるものを云う。こ....
註文帳」より 著者:泉鏡花
出かけて、 「こんなに人通があるじゃないかい。」 「うんや、ここいらを歩行くのに怨霊を得脱させそうな頼母しい道徳は一人も居ねえ。それに一しきり一しきりひッそりす....
雪柳」より 著者:泉鏡花
子の中段で、やせた遊女が崩れた島田で、うつむけにさめざめ泣いているのを、小夜衣の怨霊とも心附かず、背中をなでると、次郎庵さん、と顔を上げて、冷たい手でじっと握っ....
迷信解」より 著者:井上円了
所に立ちたる地蔵堂の前に、怪しき火の燃え上がりおるを見て大いに驚き、世のいわゆる怨霊火ならんと考え、こわごわ近づき見れば、堂内に泊まりたる乞食が寒さを防がんため....