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「怩〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

怩の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
んで姓名を告げるのを例としていた。書生は始めて益軒を知り、この一代の大儒の前に忸《じくじ》として先刻の無礼を謝した。――こう云う逸事を学んだのである。 当時....
カズイスチカ」より 著者:森鴎外
している母体の心音よりは度数が早いからね。」 佐藤は黙って聴診してしまって、忸《じくじ》たるものがあった。 「よく話して聞《きか》せて遣《や》ってくれ給え。....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
隠すことなんて出来るものじゃない」 「うん、まさに小気味よい敗北さ。実は、僕も忸となっているところなんだよ」法水は何故か伏目になって、神経的な云い方をした。「....
般若心経講義」より 著者:高神覚昇
つ、般若を説きつつ、しかもいまだ真に般若を、自分を省みるとき、私は内心まことに忸たるものがあるのであります。「道は多い、されど汝の歩むべき道は一つ」だといいま....
実際に役立つ国民の書棚として図書館の改良」より 著者:宮本百合子
館を、東亜の大首都東京市の代表図書館であると云わなければならないことには、些か忸《じくじ》たるものがありはしないだろうか。図書館へは学生のうちだけゆくものとい....
錦染滝白糸」より 著者:泉鏡花
越 ま、まあ、御老人。 七左 いや、まず……先生。 村越 先生は弱りました。(忸たり)では書生流です、御案内。 七左 その気象! その気象! 撫子。出迎えんと....
人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
は何人にも勝って外見に欺かれそうもない人に異見を呈するに当っては、確かに大いに忸たるべきであるが。もし私が、古代史のある時期に、一家をもつことの奨励が大であり....
或教授の退職の辞」より 著者:西田幾多郎
、尽すべきことも尽さなかった。今日、諸君のこの厚意に対して、心|窃《ひそか》に忸《じくじ》たらざるを得ない。幼時に読んだ英語読本の中に「墓場」と題する一文があ....
人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
分に対しあえて一言せざるを得ないのであるが、もっともこれをなすに当っては同時に忸たらざるを得ぬのであり、これはけだし政界においてかくも正当に盛名ある人士に異説....
日記」より 著者:宮本百合子
内に凜然《りんぜん》たる頼もしい処がないのではあるまいかと、我が筆の跡を顧み、忸《じくじ》たるものがあるのだ。 「言葉は神なりき」と云う文句を心に浮べると、出....
唇草」より 著者:岡本かの子
火してやったのだ。 想えばいじらしい相手だ。尾佐はいまどこで寂しい白日の酒を忸として飲んでいるであろうか。 栖子の両手の指先きが、つやつやした豆莢の厚い皮....
我が円朝研究」より 著者:正岡容
ダン文化のネオン燦然たる前には百年変らざる伝統の世話講談を繰り返している自分に忸《じくじ》たるものをおぼえ、思わずこうしたことを呟いてしまったのだろう。けだし....
死児を産む」より 著者:葛西善蔵
ころだったに違いない。自分はその二三句をここに引いてみよう。自分としては非常に忸とした、冷汗を催される感じなんだが。――こうした悪虐な罪人がなお幾年かを続けね....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
えない。土地の美妓も数多見えた。半折や短冊を後から後からと書かされる。初めには忸として差控えたが、酔うに従って書くに従ってただそのことがうれしくてならなくなる....
特殊部落ということについて」より 著者:喜田貞吉
撤廃を呼号している我が国民として、依然これを放任するという事は、内に省みて自ら忸たるものがなければならぬ筈である。 明治四年にエタ非人なる称号が廃止せられて....