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怪しからん
「怪しからん〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
怪しからんの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
い、二匹とも。ここの家《うち》へ来る男は、おればかりかと思ったが、――こりゃちと
怪しからんな。」
牧野はお蓮の手を突《つっ》つきながら、彼一人上機嫌に笑い崩《....
「竜」より 著者:芥川竜之介
夜《ゆうべ》建てた高札《こうさつ》にひっかかった鳥がありそうだくらいな、はなはだ
怪しからん量見で、容子《ようす》を見ながら、池のほとりを、歩いて居ったのでござい....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
に感じないで、 「遣るさ。そのかわり待合や、何かじゃ、僕の方が媒酌人だよ。」 「
怪しからん。黒と白との、待て? 海老茶と緋縮緬の交換だな。いや、可い面の皮だ。ず....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
と嘉吉に抱かれて、前ざまに行かっしゃったそうながの、お前様、飛んでもない、」 「
怪しからん事を――またしたもんです。」 と小次郎法師は苦り切る。 ....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
いなものだった。「ちと、お慰みにごらん遊ばせ。」……おまけに、ぽッと紅くなった、
怪しからん。」 「当る、当る、当るというに。如意をそう振廻わしちゃ不可んよ。」 ....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
から、言下に打出して事理を決する答をば、与え得ないで、 「都を少しでも放れると、
怪しからん話があるな、婆さん。」とばかり吐息とともにいったのであるが、言外おのず....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
、寂しい笑顔して、吻と息。 二十六 「そんな、そんな貴女、詰らん、
怪しからん事があるべき次第のものではないです。汚れた身体だの、人に顔は合わされん....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
で島のように見えた、そこいらも水が溢れていよう。 (もうこれだけかね、) 甚だ
怪しからん次第だったけれども、稲の上を筏ででも漕いでくれたら、と思って、傍に居た....
「取舵」より 著者:泉鏡花
。」 渠の友は嗤笑いぬ。 「赤飯を貰ッたと思ってひどく面白がるぜ。」 「こりゃ
怪しからん! 僕が赤飯のために面白がるなら、君なんぞは難有がッていいのだ。」 「....
「おばけずきのいわれ少々と処女作」より 著者:泉鏡花
、一月が七円五十銭である。そこで活字が嬉しいから、三枚半で先ず……一回などという
怪しからん料簡方のものでない。一回五六枚も書いて、まだ推敲にあらずして横に拡った....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
ったはずです……不良でも入るか知らん。」 「こちらも不良どすな、おほ、ほ。」 「
怪しからん、――向う側へ。」 と、あとへ退って、南面に、不忍の池を真向いに、高....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
る、熱の譫言を叫んだという、その、渠等に懲罰を給わった姫神を、川裳明神と聞いて、
怪しからんことには――前刻も申した事ですが、私も獺だと思って、その化身にされたの....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
弟子にお客を煽がした位、手近な物を取ってくれも同然さ。癪に障ったの、口惜いのと、
怪しからん心得違いだと、かえってお前さん達の方を言い落さなけりゃならない訳だよ。....
「活人形」より 著者:泉鏡花
されて、怪まぬように見せて反対に化かしてやった。油断をするに相違無い。「いかさま
怪しからん人体でした。あのまま見遁して置くお所存ですか、「なあにこれから彼奴を突....
「まあまあ居士の弁」より 著者:浅沼稲次郎
大勢私を取巻いて、「お前、社会主義者に煽動されて、ああいう大会をやったんだろう、
怪しからんじゃないか、謝り状を一本書け」と言う。私はそれに対して「自分はなにも社....