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怪し火
「怪し火〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
怪し火の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「朱日記」より 著者:泉鏡花
物見の松と差向う、市の高台の野にあった、本願寺末寺の巨刹の本堂床下から炎を上げた
怪し火で、ただ三時が間に市の約全部を焼払った。 烟は風よりも疾く、火は鳥よりも....
「雪霊続記」より 著者:泉鏡花
面に、凹字形の大な建ものが、真白な大軍艦のように朦朧として顕れました。と見ると、
怪し火は、何と、ツツツと尾を曳きつつ、先へ斜に飛んで、その大屋根の高い棟なる避雷....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
態だったが、やがて、その煙が、人家のないお茶の水の崖ぷちからだと知れて、それッ、
怪し火だとばかり、皆そのほうへなだれていった。 その崖には、旅川周馬が上なる墨....
「三国志」より 著者:吉川英治
剣の梯子を作りながら踏み登って行くのであった。 「――火だっ」 「火災だっ」 「
怪し火だ!」 銭糧倉から、また、矢倉下から、書楼の床下から、同時にまた、馬糧舎....
「三国志」より 著者:吉川英治
くと、張※の先途を案じて、慕ってきた百余騎の将が、一斉に山を指さして叫んだ。 「
怪し火が見えますぞ。あの山頂に」 「何かの合図やも知れません」 「夜に入ってはい....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
ま。一大事です」 やがて、家人の騒ぎにやっと永観はそこから出て来て、 「何っ、
怪し火じゃと。誰ぞ、見てまいれ」 と、仰天を装って共に立ち騒ぎ出したものだった....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
著なのは、三月十四日の夜半、尊氏の御池殿の全館が、焼亡したことである。まったくの
怪し火で、出火の原因も不明だった。 それいぜんには、清水寺の焼失があり、持明院....
「年中行事覚書」より 著者:柳田国男
、家のまわりをぐるぐるとあるくなどという話もあったらしく、慎しみの足りない家が、
怪し火で焼けたというような話もあったかは知らぬが、そういうことはもうはっきりとし....