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怪魚
「怪魚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
怪魚の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黄村先生言行録」より 著者:太宰治
見せ物のね、大将を、僕の部屋に連れて来てくれませんか。いや、実はね、あの見せ物の
怪魚をね(見せ物の看板では、天然自然の大
怪魚という事になっていた)あいつをね、ぜ....
「電気風呂の怪死事件」より 著者:海野十三
れは恰も、胃袋の辺に大穴が明いて、心臓へグザッと突入したような思いだった。指先は
怪魚に喰いつかれたような激痛を覚えた。 「た、救けて! で、電気、電気だ。感電だ....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
化し、やがて、物凄い音響をあげ、全身を、真紅な火焔に包んで、墜落を始めた。空中の
怪魚の、断末魔は、流石に豪胆な帝国の飛行将校も、正視するに、たえなかった。或いは....
「光と風と夢」より 著者:中島敦
しい噂が行われている。「ヴァイシンガノの河水が紅く染まった。」「アピア湾で捕れた
怪魚の腹に不吉な文字が書かれていた。」「頭の無い蜥蜴《とかげ》が酋長《しゅうちょ....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
の金内の武士の一分が立たぬのだ、この寒空に気の毒だが、そちたちの全力を挙げてあの
怪魚の死骸を見つけ出しておくれ、と折から雪の霏々と舞い狂う荒磯で声をからして懇願....
「三十年後の世界」より 著者:海野十三
場に立ちすくんだ。いったいその奇魚《きぎょ》はなんであったろうか。 にらむ
怪魚《かいぎょ》 正吉のおどろきの声に、こんどはキンちゃんがおどろいてうしろの....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
士は、ここまで論じかけたが、これは相手にとって少し理窟っぽいと思い直したと見え、
怪魚をビクにしまい込んで、
「明日になったら、早速ひとつ漁師共に話して、こいつの....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
、魚屋が慌てて、 「オットット、手をだすと噛みとられますよ」 長さ一米ぐらいの
怪魚「カキザメ」という私が見たことのない怪物です。サンショーウオを平たくしたよう....
「環礁」より 著者:中島敦
毛《はけ》の一刷《ひとはき》のようにほとんど鰭《ひれ》と尾ばかりに見える褐色の小
怪魚、鰺《あじ》に似たもの、鰯《いわし》に似たもの、更に水底を匍《は》う鼠《ねず....
「えぞおばけ列伝」より 著者:作者不詳
マスだという伝説もある.アイヌの考える沼の主には,大別して二種あるようだ.一つは
怪魚で,たいていは大アメマスということになっている.洞爺湖だけでなく支笏湖でも摩....
「三国志」より 著者:吉川英治
に彩られてきた。いつか夜は白みかけていたのである。満々たる江水は虹に燃え立って、
怪魚のように泳いでゆく二人の影を揉みに揉んでいた。 流れは烈しいし、深傷を負っ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
木正季は、年上らしくそういった。そして、泥土の上の容貌や風態を、たとえば、深海の
怪魚を陸に揚げて見たように、しげしげ眺め抜いていた。 「これか。これが六波羅の放....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
打倒平家”のうごきもある。しかし、院を背景とする薄暗い底流|窟に、いったいどんな
怪魚が寄って、何を囁き合っているか、これもまだ表面のものではない。 かくて地表....
「イグアノドンの唄」より 著者:中谷宇吉郎
ているのかもしれないと考えた方が、かえって科学の心に通ずるであろう。 一億年前の
怪魚 『コンティキ号漂流記』の著者は、まことに巧《うま》いことをいっている。古代....