恋の歌[語句情報] »
恋の歌
「恋の歌〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
恋の歌の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
る者は、玉を飾って琴を弾《ひ》いた。またある者は、盃を控えて、艶《なまめ》かしい
恋の歌を唱った。洞穴は彼等のえらぐ声に、鳴りどよむばかりであった。
その内に夜....
「春の枯葉」より 著者:太宰治
あなたじゃ ない あなたを 待って いたのじゃない ちょっといいね、これは。失
恋の歌だそうだよ。あわれじゃないか。まあ一つ飲め。(一升瓶を持ち上げる) (奥田....
「思案の敗北」より 著者:太宰治
うことには、「あなたは、私ひとりのものにするには、よすぎます。」私は、あわてて失
恋の歌を書き綴った。以後、女は、よそうと思った。 何もない。失うべき、何もない....
「連環記」より 著者:幸田露伴
恨みて」「思ひかけて久しくなりぬる人のことさまになりぬときゝて」などという前書の
恋の歌が多い。後撰集雑二に「難波がた汀のあしのおいのよにうらみてぞふる人のこゝろ....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
それゆえ寒山詩にも、老翁娶、両両相憐態、とあるのだが、万葉には稀にこういう老人の
恋の歌もあるのは、人間の実際を虚偽なく詠歎したのが残っているので、賀茂真淵が、「....
「星」より 著者:国木田独歩
外より帰り来たりて、しばしが間庭の中をあなたこなたと歩み、清き声にて歌うは楽しき
恋の歌ならめ。この詩人の身うちには年わかき血|温かく環りて、冬の夜寒も物の数なら....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
た。そしてフレミンクからは、アネモネやバジレネへ寄する花のように香ばしくやさしい
恋の歌、――また澄み切った楽しい心の舞踏歌《タンツリード》たる星のロンド、――ま....
「女性の諸問題」より 著者:倉田百三
て寄る妹にかそかに白粉にほふ これは大正時代の、病篤き一貧窮青年の死線の上での
恋の歌である。 私は必ずしも悲劇的にという気ではない。しかし緊張と、苦悩と、克....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
別荘の窓が、一つ一つ開けられる。 綾子夫人の部屋からは、スキーパの魅惑的な
恋の歌が、流れ出す。階下の子供部屋から、小太郎が、 雨、雨、降れ! 降れ! 母さ....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
ちは思っていた。しかしそんなにしてもやっぱり知らない歌が残った。それ程万葉集には
恋の歌が多いのであった。 柳こそ伐ればはえすれ世の人の恋に死なむをいかにせよとぞ....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
せて置いて、手習などをさせんから手の書けないのは無理もないが、俗にいう貧の盗みに
恋の歌とやら、妙だなア、鉄釘の折のようにポツ/\書いたなア、えゝ、なに/\……一....
「柳原燁子(白蓮)」より 著者:長谷川時雨
、宮崎氏がいったのだった。そのあとでは、宮崎氏の机上はうずたかくなるほど、電報で
恋の歌がくるというので、みんなが羨《うらや》んだということだった。 この事件に....
「かなしき女王」より 著者:マクラウドフィオナ
彼等を見ていた。 彼女は二人が互に話し合っていた事を聞かされていた。 「お前の
恋の歌をうたえ」女王はウルリックにいった。 「私は死に臨んで女のことなんぞ考えて....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
知らぬ折もありしを こうした歌の出来る人は、恋も知らずに大人になって、歌会の席上
恋の歌題を出されて、昔読んだ物語の中の場面などを思いうかべながら蕩冶な感じを歌に....
「忘れられたる感情」より 著者:小川未明
いるということを思わせるからだ。 涙の光るところ、其の眼に同じい悲しみが宿る。
恋の歌を聞くところ、其処に同じい怨みに泣く人があることを知る。こう、考えると私に....