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「恋女房〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

恋女房の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
国貞えがく」より 著者:泉鏡花
、 「……姫松《ひめまつ》どのはエ」と、大宅太郎光国《おおやのたろうみつくに》の恋女房が、滝夜叉姫《たきやしゃひめ》の山寨《さんさい》に捕えられて、小賊《しょう....
海異記」より 著者:泉鏡花
ればこそ、松五郎。我が勇しき船頭は、波打際の崖をたよりに、お浪という、その美しき恋女房と、愛らしき乳児を残して、日ごとに、件の門の前なる細路へ、衝とその後姿、相....
白蛇の死」より 著者:海野十三
てから、今では「今戸の親分」で通る広い顔になっている。しかもお由はその吉蔵親分の恋女房であった。 今から五年ばかり前、お由がまだ二十歳で或る工場に働いていた頃....
赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
いと申しました。しかし兄は、長い間のはげしい恋をしてやっと獲ることの出来たいわば恋女房と、これからは差向いで暮すわけなのですから私は唯もう兄の弱気を嗤って独逸へ....
十万石の怪談」より 著者:佐々木味津三
が女々しゅうなったそもそもはみな奥方にある筈じゃ。契ったばかりの若くて美しいあの恋女房が涙の種であろうがな! どうじゃ。違うか!」 「……!」 ぎょっと図星を....
火葬国風景」より 著者:海野十三
路傍の人に過ぎなかった。それには外にもう一つの理由があった。というのは、八十助の恋女房の露子が、この春かりそめの患いからポツンと死んでしまったため、彼は亡妻を争....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
「その考えは軽率すぎるようだ。世渡りと男女のことは別問題ですよ。体面のために古い恋女房を離婚して、新しい恋愛を実現した代議士もあるしね。女房を大事にするヨタモノ....
我が人生観」より 著者:坂口安吾
そうじゃないか。チンピラ女学生の、ネバア・ハップンまがいの密書を読んで心機顛倒、恋女房たるその姉さんを離婚するとは、トマサンも大人げない。オオ・ミステイクの山際....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
志道軒ムラクモが女房子供をつれて親不孝のお詫びにと訪ねて来た。女房は芸者あがりの恋女房、春江といって三十。久吉という十になる一人息子をつれて高価な手みやげを持っ....
接吻」より 著者:神西清
韃靼人のこちこちときているんだが、あの男にだって一場のロマンスがあって、まんまと恋女房を手に入れたのだ。……俺にしたってみんな同じ人間だ、晩かれ早かれみんなと同....
旅客機事件」より 著者:大庭武年
「一体、三枝の今日の態度は何とした事であろう。美しい、そしてたいへん良家の令嬢を恋女房とする事の出来る日の近づいていた彼にとっては、来る日来る日が幸福で、朗かそ....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
―お供を。―― 道は雪で明いが、わざと提灯、お仏壇の蝋燭を。……亡き父はじめ、恋女房。……」 振袖の声が曇ると、多津吉も面を伏せた。 「御先祖へも面目に、夜....
筆にも口にもつくす」より 著者:北大路魯山人
いうことになりますわね」 「そうだとも、そうだとも」 「では、先生、伺いますが、恋女房がそれこそ真心をつくしてこしらえてくれた料理がぜったい世の中でいちばんおい....
宝永噴火」より 著者:岡本かの子
はちょっと意地の悪い笑いを洩らしたが、ひそかに慧鶴を呼び寄せ娘の手紙を示し乍ら「恋女房とさし向いで、呉服を商うのもまた風雅ではないか」としきりに彼に還俗をすすめ....
素晴しい記念品」より 著者:大倉燁子
頃にはお母さんがお琴の師匠、池谷さんが漢学の先生、奥様が賃仕事をしていた。奥様は恋女房だという噂であった、貧しいが他目にはいかにも楽しそうな、平和な家庭のように....