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恐怖症
「恐怖症〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
恐怖症の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
込んだ。 地下鉄の中には、煌々と昼を欺くような明るい灯がついていた。だが、暗黒
恐怖症の市民が、後から後へと、ドンドン這入りこんでいて、見動きもならぬ混雑だった....
「赤外線男」より 著者:海野十三
如として赤外線男の魔手は伸び、帝都全市民の面は紙のように色を喪って、「赤外線男」
恐怖症に罹らなければならなくなった。――それは赤外線男発見者の深山理学士の研究室....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
期鬱狂説を発表して、斯界に大センセーションをまき起した。 ゴリラには、憂鬱病と
恐怖症が周期的にきて、その時期がいちばん狂暴になりやすいという。そして苦悶が募っ....
「新版 放浪記」より 著者:林芙美子
ような、私なりに小さくつつましいものが書きたいと思います。
どうも、私はこの頃
恐怖症にかかっているのかも知れない。人がみなおそろしく思える。訪ねてくれる人より....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
目次 思想問題
恐怖症 自由主義の悲劇面 転向万歳 倫理化時代 減刑運動の効果 世人の顰蹙 林檎....
「ひと吾を公式主義者と呼ぶ」より 著者:戸坂潤
併しなぜ公式主義という言葉をそんなに重宝がるのだろうか、と云うと夫は要するに公式
恐怖症から来るものだが、それはあとにしよう。公式主義という言葉より、もう少し役に....
「初冬の日記から」より 著者:寺田寅彦
ストをつれて散歩しているところを不意に写真機を向けて撮る真似をされたので平生妻君
恐怖症にかかっているらしい社長はこの靴磨きを妻君からわざわざさし向けられた秘密探....
「花子の陳述」より 著者:豊島与志雄
ただ笑っていました。 「なあに、ちょっと神経衰弱の気味で、それに、近頃流行の電波
恐怖症がからまったのでしょう。なまじっか手を出すより、静かに放っておけば、追々に....
「日月様」より 著者:坂口安吾
どう致しまして。国法にふれる場所じゃアありませんや。エッヘッヘ。先生もいやに麻薬
恐怖症ですな。ちょッと、お待ちなすって」 彼は一人の女給と片隅で何か打ち合せて....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
安くて気に入ったと大喜びで引越した。 アルジの計理士もすこぶるの好人物で、赤面
恐怖症という持病だ。ちょっとのことで赤面して物がいえなくなってしまう。今なら計理....
「大阪の憂鬱」より 著者:織田作之助
の念すら抱いた。 「まるで大阪みたいな奴だ」 所が、きけばその青年は一種の飢餓
恐怖症に罹っていて、食べても食べても絶えず空腹感に襲われるので、無我夢中で食べて....
「抵抗のよりどころ」より 著者:三好十郎
に怖い。生れつきの過敏という素因もあります。時によって、それは病的にまで昂進して
恐怖症の状態にまでなることがある。私の日々の暮しと仕事は大きい恐れや小さい恐れの....
「日を愛しむ」より 著者:外村繁
れて行く。突然、水を浴びせられたように、私は恐怖を感じる。その恐怖は、丁度、高所
恐怖症の者が断崖に立たされた時のような恐怖に類している。全身は戦慄し、冷汗が噴き....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
かって行けないという焦れったさや口惜しさまでが入り混って、とうとう、小心者は戦争
恐怖症という狂人になってしまいました。それで塹壕中でのいろいろの慰安とか、士気を....
「三国志」より 著者:吉川英治
た。 張飛の督戦も、もう効かなかった。朱雋の兵があまり恐れるので、義軍の兵にも
恐怖症がうつったようである。そして風魔と砂礫にぶつけられて、全軍、進むことも退く....