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恐惶
「恐惶〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
恐惶の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
》を行なわんとはせざりしなり。渠《かれ》は再び沈吟せり。 良心に逐《お》われて
恐惶《きょうこう》せる盗人は、発覚を予防すべき用意に遑《いとま》あらざりき。渠が....
「二百十日」より 著者:夏目漱石
大きな背中を落す。満槽《まんそう》の湯は一度に面喰《めんくら》って、槽の底から大
恐惶《だいきょうこう》を持ち上げる。ざあっざあっと音がして、流しへ溢《あふ》れだ....
「軍用鮫」より 著者:海野十三
万一年重陽の佳日、中国軍政府最高主席委員長チャンスカヤ・カイモヴィッチ・シャノフ
恐惶謹言頓首々々恭々しく曰す。こいねがわくば楊《ヤン》大先生の降魔征神の大科学力....
「乱世」より 著者:菊池寛
罷在候。抑も尊王の大義は兼て厚く相心得罷在候処|不図も、今日の形勢に立至り候段、
恐惶嘆願の外無御座候。何卒平生の心事御了解被成下大納言様御手筋を以乍恐朝廷へ御取....
「弟子」より 著者:中島敦
。さすがに、餒《う》え、疲《つか》れ、病者も続出する。弟子達の困憊《こんぱい》と
恐惶《きょうこう》との間に在って孔子は独り気力少しも衰《おとろ》えず、平生通り絃....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
れて位置の懸隔を恨むらん、吾肩書に官爵あらば、あの田原の額に畳の跡深々と付さし、
恐惶謹言させて子爵には一目置た挨拶させ差詰聟殿と大切がられべきを、四民同等の今日....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
わるいし、咲たちが国府津へ行ってしまって、どうしてもうちのことは肩にかかるしで、
恐惶謹言的状態で、お使いはたのまれないし、厄介だし、滑稽だし。うちに、あたり前の....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
てるのだということを知り得た。もう数か月前からの病気だった。 ジャックリーヌは
恐惶《きょうこう》の日々を送った。叔母に会うと多少安心した。仕合わせにもマルトは....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
はいつも巧みに脱し、時としては猛烈な抵抗を試みた。実に不敵な悪漢だった。
その
恐惶《きょうこう》の最中に司教がそこへやって行った。巡回をしていたのである。シャ....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
、それを看破したのはまた無理もない話。萩之進のほうは覚えのあることだから、大いに
恐惶《きょうこう》して、なんとか乞食の相をはらいたいと思い、いまの故事に倣《なら....
「金狼」より 著者:久生十蘭
と、報道された〈その女〉の風態が、前夜見た女のそれと、まさしく一致しているので、
恐惶して、早速そのよしを上官に報告した。捜査の重点は直ちにこの部分へ移され、警視....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
痛痒相関せざりしに反し、官軍の東下に引続き奥羽の戦争に付き横浜外人中に一方ならぬ
恐惶を起したるその次第は、中国辺にいかなる騒乱あるも、ただ農作を妨ぐるのみにして....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
な。小生が好んで堕落するんじゃない。世の中が小生を強いて堕落せしむるのであるか。
恐惶謹言。 十一月十一日金 虚子先生 左千夫の手紙にいっている....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
いえど、臣が死にざまをも好み給わずという理はあらじかし。女王の流人、エセックス、
恐惶謹言」 だが、その実演は、それほどすばらしくはなかった。もしこの絶望の武士が....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
あったとみえて、建武元年の『東寺塔供養記』九月十三日条に、 之処、返事、 候哉。
恐惶謹言。 九月十三日 光守 条々。 一、掃....