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恐慌
「恐慌〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
恐慌の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
んでいた。この四月以来|市場《しじょう》には、前代未聞《ぜんだいみもん》だと云う
恐慌《きょうこう》が来ている。現に賢造の店などでも、かなり手広くやっていた、ある....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
調査に待たなければならないが、その真相の判明したる暁には、全世界に有史以来の一大
恐慌が起るおそれがあり、その成行は注目される” 一体何事が起るのだろう。大西洋....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
るよう決心さしたわ」 これと前後して鼎造の手紙が復一に届いた。それには、正直に
恐慌以来の自家の財政の遣り繰りを述べ、しかし、断然たる切り捨てによって小ぢんまり....
「霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
る。隆夫は腹が立ってならなかった。しかし自分の意識が刻々うすれていくのに気がつき
恐慌《きょこう》した。 「はははは。もうすこしの辛棒《しんぼう》だ」 「なにを。....
「地球要塞」より 著者:海野十三
扉は、破れんばかりに、うち叩かれている。怪事は、果然《かぜん》、米連主力艦隊を大
恐慌《だいきょうこう》の中に抛《な》げこんでしまった。 恫喝《どうかつ》代....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
足下が二階へ行ったのだそうだね。 守田は『二六』をやめられたそうじゃないか。大
恐慌だろう。細君はどうだ。秋水も土佐を出たとか、東京へ着いたとかいう話だが、どう....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
ぱり、すぱり」 趙家が掠奪に遭ってから、未荘の人は大抵みな小気味よく思いながら
恐慌を来した。阿Qもまたいい気味だと思いながら内々恐れていると、四日過ぎての真夜....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
。 官制の改革は多数の犠牲者を出した。安穏に眠を貪っていた官吏社会をはじめての
恐慌が襲ったのである。維新当座どさくさまぎれに登用された武士階級中の老年者とか無....
「キド効果」より 著者:海野十三
に、キド現象の発見者木戸博士が失踪せられた。 『木戸博士の行方不明に世界学界は大
恐慌!』 『ドクター・キドは失踪後五日を経るも、何等消息発見されず!』 『木戸博....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
な小口に対してさえ、同様に物々しい文書が届けられはじめた。それはまるで予期しない
恐慌を雪ふかい村々に捲き起した。それに人々はかつてこのような借金の取立て法に遇っ....
「おばけずきのいわれ少々と処女作」より 著者:泉鏡花
困難に陥りはせぬかという危惧からして、当時の事を覚えている文学者仲間には少からぬ
恐慌を惹き起し、額を鳩めた者もなきにしもあらずであったろう。 二十七八年戦争当....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
くしたけれど、いまこの手紙で知った事実こそ緊急事であり、それが自分にとって一つの
恐慌であることを自分自身にかくすことはできなかった。 もし彼がそんな心境だとい....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
出の電燈会社に、ある者は天満のメリヤス会社に談判に行った。 天満方面の小工場の
恐慌ぶりと言えば、それは見る目にも気の毒なほどであった。 安治川菊子嬢は、天満....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
ますが、池田総理のいうように、資本主義の経済が循環論法で動いていたら、不景気も、
恐慌も、首切りも、賃下げもなくなることになります。しかしながら――しかしながら、....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
うことも出来ません。 日本当面の非常時、政治的不安や経済的行き詰まりにいよいよ
恐慌を増して来ましたこの頃では、金融は全く逼塞してしまいましたので、日本の大多数....