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「恐懼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

恐懼の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
。 この夜も、よく眠れなかった。 遺 書 一、事態茲ニ至ル 大御心ヲ拝察シ恐懼言葉ヲ識ラズ 一、佐野家第十代昌一ヲ始メ妻英、長男晴彦、二男暢彦、三男昌彦、....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
いために○○教の神から大いなる刑罰を下されたのであると信じていた。彼は堪えがたい恐懼と煩悶とにひと月あまりをかさねた末に、彼は更に最後の審判をうけるべく怖ろしい....
運命」より 著者:幸田露伴
途にして、忽ち建文帝に雲南に遇う。旧臣|猶錦衣にして、旧帝|既に布衲なり。震たゞ恐懼して落涙|止まらざるあるのみ。帝、我を奈何せんとするぞや、と問いたもう。震|....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
しい怪談ものじゃ。念のためそれなる死体一見しょうぞ。案内せい」 心得て六兵衛が恐懼しながら導いていったところは、ガヤガヤと黒集りになって人々が打ち騒いでいる奥....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
から降り立ったのは、一見して大藩の太守と覚しき主侯です。しかも主侯自ら腰を低めて恐懼措く能わないといったように、倉皇としながら小走りに、近よると、釣りの御前の遙....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
いう。これを見たものはびっくりして、これは必ず切支丹に相違ないと言って、皆大いに恐懼を抱いたとの話もある。 異国に対する無知が、およそいかなる程度のものであっ....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
頭にも釘が打ち込んであった。かれもかつて夫を殺した経験をもっていたのである。丁は恐懼のあまりに病いを獲て死んだ。 時の人は姚の明察に服して、包孝粛の再来と称し....
化銀杏」より 著者:泉鏡花
の面を見られんを恥じて、長くこの暗室内に自らその身を封じたるものなればなり。渠は恐懼て日光を見ず、もし強いて戸を開きて光明その膚に一注せば、渠は立処に絶して万事....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
娘さんがびっくりしたように私の顔をじいっと眺めているのを見ると、私の眼にはやはり恐懼の色が現われていたに相違なかった。私はやっとのことで気をしずめると、てれ隠し....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
得意のあまり叫ばずにはいられなかった。 「謀反だぞ、謀反だぞ」 未荘の人は皆|恐懼の眼付で彼を見た。こういう風な可憐な眼付は、阿Qは今まで見たことがなかった。....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
いように生れついているんだなア」 こういわれて、ホッと崩れるような安堵の思い。恐懼おくあたわざる虎之介であった。....
にらみ鯛 」より 著者:佐藤垢石
の外に、副膳を奉るのであるが、その副膳のことを称えるのである。 酒井所司代は、恐懼して平伏し、さて恭々しく箸をとろうとしたところ、悪臭が鼻にくるのにびっくりし....
あゝ二十年」より 著者:上村松園
五年七年と、思わぬうちに歳月が流れさり、つい今日まで延び延びになりまして、一層|恐懼いたしておるしだいでございます。 もっともその間には、幾度か焼炭をあて、下....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
、 お赦免になるでございましょう。 帝 いや。思い掛けぬ失錯を教えられて恐懼に堪えぬ。 寄附の地所の境界は、お前勝手に極めてくれい。 大司祭 先....
古事記」より 著者:太安万侶
で火を點《とも》して見ますと、既にお隱《かく》れになつていました。 そこで驚き恐懼《きようく》して御大葬の宮殿にお遷し申し上げて、更にその國内から幣帛《へいは....