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「恒産〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

恒産の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
どは患わずとも好い。それよりも寧《むし》ろ危険なのは明らかに冷淡さの不足である。恒産 恒産のないものに恒心のなかったのは二千年ばかり昔のことである。今日で....
本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
なかったのは、この地方住民の懶惰《らんだ》極まる事である。孟子の所謂《いわゆる》恒産無き者は恒心無しとでも謂《い》うものか、多少でも財産や田畑《でんぱた》のある....
道楽と職業」より 著者:夏目漱石
間だからである。大変わがままのようであるけれども、事実そうなのである。したがって恒産《こうさん》のない以上科学者でも哲学者でも政府の保護か個人の保護がなければま....
虞美人草」より 著者:夏目漱石
尾《ふじお》に頼《たより》たくなるのは自然の数《すう》である。あすこには中以上の恒産《こうさん》があると聞く。腹違の妹を片づけるにただの箪笥《たんす》と長持で承....
思想と風俗」より 著者:戸坂潤
揮権にまで利用したのであるが、それに似た現象はどこの国にも珍しくない。そして、「恒産なきものは恒心なし」という支那の聖人の唯物論を逆用しようとするこの現象は、今....
婦人と文学」より 著者:宮本百合子
問題がふくまれていて、糊口のためにならない文学は、当時の一葉の解釈に従えば、先ず恒産を得て常のこころを身につけたもの、塩噌の心配のないものが、月花にあくがれ、お....
ひしがれた女性と語る」より 著者:宮本百合子
終始したいと云う彼女の希望には微塵《みじん》も嘘はありません。 然しそれなら、恒産も無く、老後を扶養して呉れる縁者もない彼女は、今後某々未亡人として、立つべき....
社会時評」より 著者:戸坂潤
揮権にまで利用したのであるが、それに似た現象はどこの国にも珍しくない。そして、「恒産なきものは恒心なし」という支那の聖人の唯物論を逆用しようとするこの現象は、今....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
衰弱から死ぬることもある。 我々は倦《う》むことなく繰り返したい。何よりもまず恒産なき苦しめる群集のことを考えよ。彼らを慰めよ。彼らに空気と光とを与えよ。彼ら....
金銭無情」より 著者:坂口安吾
かは物になるてえ限度はあつて、この限度はつまり国持大名だな。これを今日で言ふと、恒産あり、といふことだ。失礼ながらタヌキ屋の御亭主は未だ一城一国のあるじとは申さ....
我が人生観」より 著者:坂口安吾
ていた人だそうだ。自ら鯰魚と号していたように記憶する。無邪気な楽天家であったが、恒産があったのかも知れない。しかし、貧乏のようでもあった。生れながらに手と足の指....
妾の半生涯」より 著者:福田英子
角筈《つのはず》女子工芸学校なるものを起し、またこの校の維持を助くべく、日本女子恒産会《にほんじょしこうさんかい》を起して、特志家の賛助を乞い、貸費生《たいひせ....
火の扉」より 著者:岸田国士
おり、ぼつぼつ目ぼしい持物を金や食料に替えはじめていたが、それも底が見えて来た。恒産といつては満洲にある会社の株が少しあるきりで、それこそ今では役に立たぬ。どう....
学問の独立」より 著者:福沢諭吉
皆、学問上には憂うべきの大なるものにして、その憂の原因は学者の身に閑なくして家に恒産なきがためなり。ゆえに今、帝室より私学校を保護するに、かねて、学者の篤志なる....