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恠
「恠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
恠の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「近時政論考」より 著者:陸羯南
り、客入りてこれを需むればこれに狗肉を与う、知らざる者は見て羊肉となし、しかして
恠しまず、世間政論を業とする者これに類すること多し。 帝国議会の選挙すでに終り....
「太虚司法伝」より 著者:田中貢太郎
になって、独りでは動くことも立っていることもできなかった。 「出来た出来た、長竿
恠」 皆が手を叩いて囃したてた。大異はどうすることもできなかった。大王は笑って....
「白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
気がする。 私は先んじて上った、幸いに偃松が薄くなった、それを破って、岩石が醜
恠の面を擡げている、その岩石のつづく先は、霧で解らない、私は岩伝いに殆んど直線に....
「谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
方へ、斜に切って、するすると登って行く。 もう前穂高の三角点のある岩尾根は、醜
恠に赭っちゃけて、ササラのように擦り減らされた薄っぺらの岩角を、天に投げかけてい....
「堺事件」より 著者:森鴎外
、それを下横目に渡す。下横目が点検する。この時|参詣に来合せたものは、初何事かと
恠み、ようよう籤引の意味を知って、皆ひどく感動し、中には泣いているものもある。 ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
|已来《いらい》御料私領村々申合せ置き、帯刀いたし居候とも、浪人|体《てい》にて
恠敷《あやしく》見受候分は無用捨《ようしやなく》召捕り、手向いたし候はば切殺候と....
「二階から」より 著者:岡本綺堂
治三十五年にやはりインフルエンザで死んだ。 音楽家のS君が来て、狐の軍人という
恠談を話して聞かせた。 それは明治二十五年の夏であった。軍人出身のS君はその当....
「古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
く慢心の生じかけていた光明后は、ある夜|閤裏空中に「施浴」をすすむる声を聞いて、
恠喜して温室を建てられた。しかしそればかりでなく同時に「我|親ら千人の垢を去らん....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:鈴木行三
孔子は
恠力乱神《かいりょくらんしん》を語らずといい給えども左伝《さでん》には多く怪異の....
「獅子舞雑考」より 著者:中山太郎
ツと訓んだ転訛であろうと〔註四〕。かつてこの獅子頭を用いて、利根対岸の堤を崩した
恠談《かいだん》を伝えている。これから推すと、この獅子頭は鹿よりは竜に近いものと....
「無月物語」より 著者:久生十蘭
怪物《あやしもの》が横行濶歩する天狗魔道界の全盛時代で、極端に冥罰《めいばつ》や
恠異《かいい》を恐れたので、それやこそ忠文の死霊の祟りだということになって、以来....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
日|謂うところの餅と区別するにはちょうど似つかわしく、何故|是が不用に帰したかを
恠しむばかりであるが、元来この語の成立ちには一つの約束があり、一方にはまた餅の製....