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恥じらい
「恥じらい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
恥じらいの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「二十世紀旗手」より 著者:太宰治
正十年、カメラ珍らしく、カメラ納めた黒鞁《くろかわ》の胴乱《どうらん》、もじもじ
恥じらいつつも、ぼくに持たせて、とたのんで肩にかつがせてもらって、青い浴衣に赤い....
「喝采」より 著者:太宰治
有り合せの悪口を二つ三つ浴びせてやったが、地平おのれのぶざまに、身も世もなきほど
恥じらい、その日は、将棋をしても、指角力《ゆびずもう》しても、すこぶるまごつき、....
「藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
(もじもじしながら、娘に対して)ほんに、ようお出でなさりました。 町娘 (同じく
恥じらいながら、黙って頭を下げる) 花車女 さあちょっと私の茶屋まで、入らせられ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ようと、これまた等しく色めきたったのはむろんのことです。 と見て、佳人琴女が、
恥じらい恥じらい紅筆を取りあげた様子でしたが、やがてさらさらと書き流したは一枚の....
「竹青」より 著者:太宰治
く舟をめがけて飛び立てば、舟子どもから朝食の奉納があり、新婦の竹青は初い初いしく
恥じらいながら影の形に添う如くいつも傍にあって何かと優しく世話を焼き、落第書生の....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
「ごぜん、ごめんなんし……」 パッと赤くもみじを散らして、消えも入りたげに、
恥じらい恥じらい、駕籠の向うの小蔭へいって身をこごませると、さながらに女そのまま....
「新ハムレット」より 著者:太宰治
。 実に、見事な収穫だ。 いまに、その花嫁の椅子には、お前よりもっと若く、もっと
恥じらいの深い小さい女が、お前とそっくりの姿勢で腰かけて、花聟にさまざまの新しい....
「黒白ストーリー」より 著者:杉山萠円
久四郎は妙な顔をした。 貴婦人と令嬢は云い知れぬ感謝の眼付きをした。 令嬢は
恥じらいながら辞退した。 まあ…… どうぞお構いなく…… あの…… ....
「原爆詩集」より 著者:峠三吉
に気弱な微笑ばかりに生きて来て 次第にふくれる優しい思いを胸におさえた いちばん
恥じらいやすい年頃の君の やわらかい尻が天日にさらされ ひからびた便のよごれを ....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
八は、懸命に眼くばせして、死んでもこの座を起たない申しあわせ。
少女のように、
恥じらいをふくんで笑い崩れたお蓮様。
「いえ、誰がいても、思いきって言いますけれ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
は大嫌《だいきら》いです。たがいに自由で誠実であって、腹蔵なく、うわべをつくろう
恥じらいもなく、いつまでもうち解けないという懸念もなく、たがいに言い逆らうことを....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
おげさ》なものになしていた。彼らはいつも政治の圏外に立っていた。オリヴィエは多少
恥じらいながらも、選挙権を行使した記憶がないことを告白した。十年この方彼は、区役....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
た。 「先日は、姉が突然伺いまして、ほんとうに申し訳ございません。」新子の顔は、
恥じらいで赤くなっていた。 「いや、僕は、貴女の代りに、お姉さんが来て下さったこ....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
雪がところどころ溶け残っていたが、陽ざしはしずかであたたかだった。かれはいくぶん
恥じらいながら、同時にいくぶんの自負心をもって、道江の問題に対して自分のとった態....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
とも返辞をしないのは、俺を嫌っているからであろうか? それとも初心の乙女心から、
恥じらい切っているからであろうか?」これが左内には疑問であった。「もしも前者なら....