恥の上塗り[語句情報] » 恥の上塗り

「恥の上塗り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

恥の上塗りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「男女同権」より 著者:太宰治
いの大きないかめしい顔をしているお婆さんに、こんな電報を打ってしまって、いよいよ恥の上塗りを致しました。ナンジニ、セツプンヲオクル。 しかし、あの婆さんの教授....
「人間失格」より 著者:太宰治
、もう取返しがつかないんだ、どんな事をしても、何をしても、駄目になるだけなんだ、恥の上塗りをするだけなんだ、自転車で青葉の滝など、自分には望むべくも無いんだ、た....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
ったものです。藤崎さんも今となっては後悔のほかはありません。万一これが露顕しては恥の上塗りであるから、いっそ今のうちに切腹しようかとも思ったのですが、先ず兎もか....
「霜凍る宵」より 著者:近松秋江
あまりに馬鹿げていて、このうえなお女主人や若奴のいる前で腹を立てた顔を見せるのが恥の上塗りをするようで私はどこまでも弱い気を見せずに、 「だって三野村にはほかに....
「相撲」より 著者:寺田寅彦
る。いちばん弱虫で病身でいくじなしであった自分はこの年まで恥をかきかき生き残って恥の上塗りにこんな随筆を書いているのである。 中学の五年のとき、ちょうど日清戦....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
りの軽い食事を取った。 「これから新聞社へ行ってね。」 「そうね。行ったところで恥の上塗りをするようなことになるんじゃないかと思うけれど。それに取り消しを出すっ....
「三人の相馬大作」より 著者:直木三十五
早く刺客を出して殺してしまわ無かったのか？ 大作に、あんな真似をされちゃ、まるで恥の上塗りではないか？――だから殿様が、二人もつづけて殺されるのだ） 女狩は、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
んで来るという噂が立ちました。神尾の屋敷では、それこそ面白い、そうなれば能登守が恥の上塗り、見事、斬り込んで来るなら来てみろという意気込みで、人を集めて待ちうけ....
「暗黒公使」より 著者:夢野久作
この招待の意味を覚った。当日一同が打ち解けた席上で、もう一度今日の話をくり返して恥の上塗りをしなければならぬ事を知りつつ、どうしても後へ退けない事を覚悟した。 ....
「骸骨館」より 著者:海野十三
見えるのだった。 それにこの荒れはてた工場については、数箇月前のことであるが、恥の上塗りのようなかんばしくない事件がおこった。それはこの工場に隠匿物資があるは....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
は、よくよく腰が抜けたものだと憤慨する人や、ここで腹を切ったら、それこそ恥の上の恥の上塗りだと冷笑する者や、それらの空気の間で、駒井家は見事に没落して、その空《....
「人間繁栄」より 著者:豊島与志雄
のでしょう。こんな心持で、どうしてお千代やお常の前に出てゆかれましょう。それこそ恥の上塗りですわ。考えつめてると、かっと逆上《のぼせ》てしまいそうです。いくら夫....
「光は影を」より 著者:岸田国士
はないんだ。実際、ひと思いに自決するぐらいのことは、なんでもない。しかし、それも恥の上塗りだと思うと、つい、心が臆して、今日まで断行できなかつた。いや、お前にも....
「あなたも私も」より 著者:久生十蘭
る男に懲罰を加えてやらなければ、おさまらないことになった……撃っても、斬っても、恥の上塗りになるという、やる瀬ない事情なもんだから、その男を、あるところへひっぱ....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
。しかもあとでペンキ屋がごていねいにも、私の字のままに塗ったものだから、文字通り恥の上塗りである。だから私の珍妙な字はかなり長い間、そこにさらし物になっていた。....