恨むらくは[語句情報] »
恨むらくは
「恨むらくは〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
恨むらくはの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
一望千金、一顧万両、伝六太鼓がいっしょにいたら、どんな鳴り音をたてて悦に入るか、
恨むらくは座にいないのが玉に傷です。 しかし、うなぎは名人にとって恋人にもまさ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ようないぶかしき刃傷の相討ちを遂げているとは、まさに容易ならぬ事件です。ただ一つ
恨むらくは、発見したという朝の五ツから、この宵《よい》六ツすぎまで、少しく時のた....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
から、この三平君が吾輩を目して乾屎※《かんしけつ》同等に心得るのももっともだが、
恨むらくは少しく古今の書籍を読んで、やや事物の真相を解し得たる主人までが、浅薄な....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
而《しか》して十種宝物我が国中世用の器財なり、知らず海底またこれを用うるか、ただ
恨むらくはその米俵巻絹世に存せざるなり〉という事は、『質屋庫』に引いた『五雑俎』....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
の大空に嘯くの概は、憚んながら江戸ッ児の本性をあらわして遺憾なきものだ。 ただ
恨むらくは頃者内幟の流行打ち続いて見渡す空に矢車の響き賑わず、江戸ッ児の向上心を....
「俳人蕪村」より 著者:正岡子規
ちょう》にして姿致《しち》あり。水の低きに就《つ》くがごとく停滞するところなし。
恨むらくは彼は一篇の文章だも純粋の美文として見るべきものを作らざりき。 蕪村の....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
八郎が捕えられたこと、すべての破綻とともに、自分の終るのも当然だとは知っている。
恨むらくは、ついに、阿波の土を一足もふまないこと――そして法月弦之丞をついに動か....
「三国志」より 著者:吉川英治
の梅花がいちどに開いて、芳香を放つ時は、彼女らの美は、影をひそめてしまいますよ。
恨むらくは、梅花は散ってしまう」 「美人の美も長くはありません」 「そう先を考え....
「三国志」より 著者:吉川英治
天下をあらそっています。これまた史上未曾有の壮挙にあらずして何でしょう。然るに、
恨むらくは、兵少なく、地利あらず、いま一陣にやぶれて、臣孔明に万恨を託され、江水....
「三国志」より 著者:吉川英治
出で、 「せっかくの台臨を仰ぎながら、われわれ長途の軍旅にて、今日のもてなしに、
恨むらくは音楽の饗応を欠いておる。依ってそれがし、剣の舞をなして、太守の一笑に供....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
としている口吻であった。 正季は、師の達見を、きもに応えて帰ったのである。が、
恨むらくは兄へそれはいえず、城中の空気も、城外遠くの形勢も、すでに何を顧慮してい....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
のにあらずや。 人の世のこのことわりのかなしさよ 憎まずしては愛し難かり
恨むらくは、驕るもの必ずしも亡びず、正しきもの必ずしも栄えず、この道理の顛倒をい....