恩に着せる[語句情報] » 恩に着せる

「恩に着せる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

恩に着せるの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
そうなものじゃないか。私はほんとに考えると情なくなってしまった。かわいがったのを恩に着せるではないが、もとを云えば他人だけれど、乳呑児《ちのみご》の時から、民子....
文芸の哲学的基礎」より 著者:夏目漱石
無理にやるのは全くこのためで、やりつけないものを受け合ったからと云って、けっして恩に着せる訳ではありません。全く大なる光栄と心得てここへ出て来たのである。が繰返....
風流仏」より 著者:幸田露伴
ずに有難涙に咽びそうな者。オイ、亀屋の旦那、おれとお吉と婚礼の媒妁役して呉れたを恩に着せるか知らぬが貴様々々は廃て下され、七七四十九が六十になってもあなたの御厄....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
えのだ、それをいやに、遠廻しに、近所に医者もあるにはあるが、わざわざ来てやったと恩に着せるように言われるのが癪だあな、おたがいにこう言った気性だから、物を言うに....
廿九日の牡丹餅」より 著者:岡本綺堂
「おれはおめえを救ってやったのだ。」 「救ってくれたら、それでいいのさ。いつまで恩に着せることはないじゃないか。文句があるなら、千鳥へ行ってお言いよ。」 「べら....
猪鹿蝶」より 著者:久生十蘭
て、あなたや咲子さんにご迷惑をかけると思って、つつしんでおりましたねんわ」まるで恩に着せるような言い方。「ご殊勝なことだけど、それくらいつつしみのあるひとが、ヒ....