恩を売る[語句情報] » 恩を売る

「恩を売る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

恩を売るの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
畜犬談」より 著者:太宰治
、毛並もととのい、どうやら一人まえの男の犬に成長することを得たのではないか。私は恩を売る気はもうとうないけれども、少しは私たちにも何か楽しみを与えてくれてもよさ....
殺人鬼」より 著者:浜尾四郎
りますかも知れません。しかし、恩返しにあれを育てたなどというのは、またこつちから恩を売るようなものですから、私自身からは一度も申したことはありません」 ....
華々しき一族」より 著者:森本薫
仕事をするんだしするから。 鉄風 そうか、しかし無理には言わないようにしてくれ、恩を売るようにみえると厭だよ。俺は。まあ、なんだ……それとなく……。 須貝。 諏....
丹下左膳」より 著者:林不忘
にそむいて、わがことしか考えない、憎《にく》い源十郎の殿様! 恩だ! 恩だ!恩を売るのだ! あのお方だって木でも石でもないはず、ことにお武家は恩儀にだけは感....
反抗」より 著者:豊島与志雄
周平の言葉に取合わなかったのは、心あって空呆《そらとぼ》けたのだ。横田さんは人に恩を売ることが嫌いな人格者だから、わざと知らない風をして、周平に気持の上の負目《....
廿九日の牡丹餅」より 著者:岡本綺堂
家から貰ったと言えば、延津弥もよろこぶに相違ない。自分の顔もよくなるわけである。恩を売るというほどの深い底意はなくとも、師匠の口から礼の一つも言われたさに、彼は....
式部小路」より 著者:泉鏡花
を妾にするたあ何事だ、妾は癪だ、恩人も糸瓜もねえ、弱り目につけ込んで、すけべいの恩を売る奴は、さし込み以上の疫病神だと、怒鳴るでがしょう。 一体何という藪だ、....
三国志」より 著者:吉川英治
すくめて貌容を紅の光に染めた。 曹操は、その熱い耳へ、唇をよせて、 「あなたへ恩を売るわけではないが、予の胸一つで張繍一族を亡ぼすも生かすも自由だということは....