恩愛[語句情報] » 恩愛

「恩愛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

恩愛の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「捨児」より 著者:芥川竜之介
云う、古い札《ふだ》が下《さが》っていますが、――時々和漢の故事を引いて、親子の恩愛を忘れぬ事が、即ち仏恩をも報ずる所以《ゆえん》だ、と懇《ねんごろ》に話して聞....
「運命論者」より 著者:国木田独歩
れ実に他人の言葉です。他人の親切です。居候《いそうろう》の書生に主人の先生が示す恩愛です。 大塚剛蔵は何時《いつ》しか其自然に返って居たのです。知らず／＼其自....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
り戸口に立っていた小使は、その跣足のまま飛んで出た。 と見れば、貞造の死骸の、恩愛に曳かれて動くのが、筵に響いて身に染みるように、道子の膝は打震いつつ、幽に唱....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
けた、暗さは暗いが、気は晴々する。 以前と違って、それから行く、……吉原には、恩愛もなし、義理もなし、借もなし、見得外聞があるじゃなし……心配も苦労も無い。叔....
「高島異誌」より 著者:国枝史郎
茫々、回顧すれば老僧の姿、又｜※として消亡す。（下略）」 つまり恋しい笹千代も恩愛限り無い吉丸さえ、彼は失って了ったのであった。如何に彼が驚いたか、どんなに彼....
「駆逐されんとする文人」より 著者:内田魯庵
▲其代りには市外に駆逐されないでも済むかも知れないが、或は駆逐されても電車の恩愛に頼らないで自働車を走らす事が出来るかも知れないが、メエターリンクの夢を難有....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
香花を備え、守護神は八竜｜並居たり、その外悪魚｜鰐の口、遁れがたしや我命、さすが恩愛の故郷のかたぞ恋しき、あの浪のあなたにぞ……」 その時、漲る心の張に、島田....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
走る、好い事は、花の香ほども外へは漏れぬ言うけれど、貴女二人は孝行の徳、恋の功、恩愛の報だすせ。誰も知るまい、私一人、よう知った。 逢阪に店がある、餅屋の評判....
「霊界通信　小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
よりも断ち切るのに骨が折れましたのは、前申すとおり矢張り、血を分けた両親に対する恩愛でございました。現世で何一つ孝行らしい事もせず、ただ一人先立ってこちらの世界....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
八は、不快な顔もしなかった。「さよう実は捕えたがな、捕えてみれば我が子なり。……恩愛の糸がからまっていて、どうにもならなかったという訳さ」「へえ、本当に捕えたの....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
のはった、色の白い、人形の胴を切った形であったもことわり、天女が賜う乳のごとく、恩愛の糸をひいて、此方の猪口に装られたのは、あわれ白酒であったのである。 さて....
「迷信解」より 著者:井上円了
なれば、平素、心に誠実の徳を守り、身に人生の務めを行わば、自然に神仏の保護を得、恩愛を得くべきはずである。これに反して、心に一善を思うなく、身に一行を修むるなく....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
かい、なやましい、而かもそれ故にこそ魅力があり、いく度繰り返しても疲れを知らない恩愛痴情、恨み、嫉み、というような普通の人情の触手は生れつき退化し、それによって....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
、しとしとと心の上より下へ向って滴り落ちる雫は、思いやりと、慈しみと、親しさと、恩愛の情です。 そして、それが誰へ向けて、どちらの方へということはありません。....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
蔭だと思ったがね。ただ親の情というものに撲たれてしまったのだ。まったくこの両親の恩愛のお蔭だとね。僕は落涙した。この意味で、天主は信じないが、三木君の友情には感....