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「恩沢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

恩沢の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
骨董」より 著者:幸田露伴
流の儀礼などは塵ばかりも知らぬ者であるけれども、利休がわが邦の趣味の世界に与えた恩沢は今に至てなお存して、自分らにも加被していることを感じているものである。かほ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
かかげられても、山陽道まで進もうとはしない。大軍が悠々と閑日月を送る地は豊臣氏の恩沢を慕うところの大坂である。ある人の言葉に、ほととぎすは啼いて天主台のほとりを....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
芳野金陵の門人で、漢学の素養がある。其父なる人は、灌漑用の潴水池を設けて、四辺に恩沢を施して居る。お馨さんの父者人は、十六にして父に死なれ、一代にして巨万の富を....
二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
賤視する人たちの祖先たる武士というものも亦一つの職業であって封建の家禄世襲制度の恩沢を蒙むって此の武士という職業が維持せられたればこそ日本の大道楽なるかの如く一....
連環記」より 著者:幸田露伴
居てくれたなら論は無かったのだが、然様はいかなかった。一体女というものほど太平の恩沢に狎されて増長するものは無く、又|嶮しい世になれば、忽ち縮まって小さくなる憐....
社会時評」より 著者:戸坂潤
したりすることによって、北支は全く文明開化されるわけだ。イギリスはこうして印度に恩沢を施した。日本はそれを更に親切な仕方でやるのだから、支那側に文句のある筈はな....
現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
論家(政治家、学者、ジャーナリスト、興業品製作者および興業者、等々)はこの教化の恩沢の洩れ目から、時々勝手なことを書いたり喋ったり、やったりするのである。 た....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
幾回か失敗の歴史を遺して居る。今回も又その轍をふまぬか?』 真人の出現――神の恩沢は汝の想像以上である。今や世界の随所に真理の中心が創設せられ、求むる者に慰安....
灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
昼間っから、妾宅へ出かけて行ったり――これは秘書がのこらず知っており、私は特別の恩沢をうけて拝聴させられるのである――名前をきいても黙っている女の人から電話がき....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
たてまつる歌なれば、をのをのふくめる心あるべし」(代匠記初稿本)、「いかで早く御恩沢を下したまへかし。と身のほどを下心に訴るならむ」(古義)等と云うが、これだけ....
成層圏飛行と私のメモ」より 著者:海野十三
い上に、成層圏があるわけである。 このような亜成層圏飛行でも、やはり右にのべた恩沢はある程度あるらしい。そこでは、いつも西風が吹いているという。そして、この亜....
戦後合格者」より 著者:坂口安吾
新秩序をたて、生活を改善し、共同的な作業法や、相互扶助の方法を与え、農村に文明の恩沢や文化生活を導入することもできたろうと思う。そんなことは何一つやってやしない....
バークレーより」より 著者:沖野岩三郎
した。けれども彼女の寄付は一万幾千の大学生の中で、単に文学と歴史を学ぶもののみに恩沢を与えるにとどまる。それでは完全なる好意と云えない。そこで考えついたのが、此....
かくれんぼ」より 著者:斎藤緑雨
小春よりも俊雄はぽッと顔|赧らめ男らしくなき薄紅葉とかようの場合に小説家が紅葉の恩沢に浴するそれ幾ばく、着たる糸織りの襟を内々直したる初心さ小春俊雄は語呂が悪い....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
上に便利なことは雲泥の相違であります。これは俗諦の進歩であります。すなわち文化の恩沢でありまして誠に結構なことであります。しかし、これで知識経験は充分かと言うと....