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恩誼
「恩誼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
恩誼の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大島が出来る話」より 著者:菊池寛
一晩留守をさされる事が、より大きい苦痛であったのだ。が、譲吉が近藤夫人から受けた
恩誼《おんぎ》が、何んなに大きいかを知って居る彼女は、譲吉がその夜帰らぬ事に就い....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
匠の温情にむくいようとした。 ちょうど松雲和尚は、万福寺建立以来の青山家代々が
恩誼を思い、ことに半蔵とは敬義学校時代のよしみもあるので、和尚は和尚だけのこころ....
「江戸川乱歩氏に対する私の感想」より 著者:夢野久作
があるだけで、同氏の作品を公けに評した事なぞは神かけてないのです。 勿論これは
恩誼ある先輩に対する気兼ねからでもあり、同時に自分の無学から来るヒケメからでもあ....
「鼻の表現」より 著者:夢野久作
。その中には世間の習慣に楯つこうとする女性の生意気さに対する憤り、今までに与えた
恩誼に対する相手の無自覚さに対する不満なぞいう良心の錯覚もまじっているのでありま....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
私が大金を出して、多分の金も有る身の上では無いが、彼の借財を返して遣り、請出した
恩誼も有るからよもやと思います、彼の時など手を合せて、私は生涯|此地に芸妓を為て....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
旦那、お懐へ入れますよ」 文「新兵衞殿、何よりのお餞別、何時に変らぬ御親切、御
恩誼は決して忘却致しませぬ」 と言葉の切れぬ中に法螺貝の音ブウ/\/\。文治が....
「甲州鎮撫隊」より 著者:国枝史郎
翌月の十五日に始まったのが、上野の彰義隊の戦いであった。徳川幕府二百六十年の
恩誼に報いようと、旗本の士が、官軍に抗しての戦いで、順逆の道には背いた行為ではあ....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
》、誤らざるどころでない、実によく穿《うが》っていることを感じて、その後ますます
恩誼《おんぎ》を知るの感を深めることについて、心のうちに努《つと》めている。 知....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
を見て、多助は尚更悲しく、 多「おゝ青、汝泣いて呉れるか、有がてえ、畜生でさえも
恩誼を知り名残を惜むで泣いてくれるに、それに引換え女房おえいは禽獣にも劣った奴、....
「空家」より 著者:宮崎湖処子
縁再度の不幸を想いては佐太郎の妻となるべき女を羨《うらや》み、佐太郎の一方ならぬ
恩誼《おんぎ》を思いては、この家を出てまた報ゆるの時なきをかこち、わけても佐太郎....
「不苦心談」より 著者:森鴎外
た誤訳を、ここに発表しようと思う。それは指摘してくれられた人には、没すべからざる
恩誼があるから、それに対して公に謝したいためである。 しかし体に疵のある人は、....
「三国志」より 著者:吉川英治
手許へ持たせてやった。 「……これを、それがしに賜わるのですか」 関羽は一応、
恩誼を謝したが、受けるともなく、印面の文を見ていた。 寿亭侯之印 と、ある。....
「山の人生」より 著者:柳田国男
意でないが、これくらいの仙人ならば、まだ山男にも勤まると思う。ただ鈴木氏の永年の
恩誼は厚かったにしても、最後に人知れずその瓢をくくりつけて去ったという一点だけが....