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「恩賜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

恩賜の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
虞美人草」より 著者:夏目漱石
かな、君ちょっと時計を見てくれ」 「二時十六分だ」 「二時十六分?――それが例の恩賜の時計か」 「ああ」 「旨《うま》い事をしたなあ。僕も貰って置けばよかった。....
婦系図」より 著者:泉鏡花
ある主税の写真を密と見て、ほろりとしながら、カタリと閉めた。懐中へ、その酒井先生恩賜の紙幣の紙包を取って、仏壇の中に落ちた線香立ての灰を、フッフッと吹いて、手で....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
の向に当つて、奇特を見るの間郎従四人|忽ち死亡す、而るに忠常彼の霊の訓に依つて、恩賜の御剣を件の河に投入れ、命を全うして帰参すといふ。古老曰く是れ浅間大菩薩の御....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
べき山地の古文書、一村また数村の公約と見るべき書類等に残っている。のみならず幕府恩賜の白木六千|駄は追い追い切り換えの方法をもって代金二百三十一両三分銀十匁五分....
法窓夜話」より 著者:穂積陳重
れた。ベンサムは再び長文の書を上《たてまつ》って、いやしくも金銭上の価格を有する恩賜は自分の受くるを欲せぬところであるといってこれを返戻し、且つ委員らは必ず氏の....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
…が……こうして評判に評判を重ねた、医学部の卒業式の当日になりますと、意外にも、恩賜の銀時計を拝受すべき当の本人の正木医学士が、いつの間にか行衛不明になっている....
微笑」より 著者:横光利一
柄のところに菊の紋の彫られていることを梶に云って、 「これ僕んじゃないのですが、恩賜の軍刀ですよ。他人のを借りて来たんです。もうじき、僕も貰うもんですから。」 ....
平和への荷役」より 著者:宮本百合子
ることで、日本の女性の苦悩と疑惑とが感涙によって洗い流されなければならなかった。恩賜の義足、恩賜の義手、何という惨酷な、矛盾錯倒した表現であろう。民草、または蒼....
現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
会、啓明会、その他の団体から学術研究奨励のための寄付があったり、価値高い業績には恩賜賞、学士院賞、メンデンホール賞、東宮記念賞、朝日賞などがあるので、なにはとも....
源氏物語」より 著者:紫式部
ろいろあそばすふうが院によく似ておいでになった帝も源氏は恋しく思い出していた。「恩賜御衣今在此《おんしのぎょいいまここにあり》」と口ずさみながら源氏は居間へはい....
レーリー卿(Lord Rayleigh)」より 著者:寺田寅彦
に発熱性のリューマチスに罹って数週間出勤が出来なかった。丁度この時に王立協会から恩賜賞(Royal Medal)を貰ったが受取りに出ることが出来なかった。実験室....
植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
光彩を放っている。宜《む》べなる哉、後ち明治四十五年(1912)に帝国学士院から恩賜賞ならびに賞金を授与せられる光栄を担った。 このイチョウの実の中にある精虫....
学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
》いざるがごとし。その物は貴しといえども、所持の主人あらず。ただこれを古人の陰徳恩賜と言うべきのみ。 開闢のはじめには人智いまだ開けず。その有様を形容すれば、....
日和下駄」より 著者:永井荷風
る。そう思うほどこの閑地は広々としているのである。私たちはやむをえず閑地の一角に恩賜《おんし》財団|済生会《さいせいかい》とやらいう札を下げた門口《もんぐち》を....
春の大方山」より 著者:木暮理太郎
に当りて、河向に奇特を見るの間、郎従四人忽ち死亡す。而して忠常は彼霊の訓に依り、恩賜の御劒を件の河に投げ入れ、命を全うして帰参す云々。古老云ふ、是浅間大菩薩の御....