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恩返し
「恩返し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
恩返しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
です。わたしにも、御尋ね者の阿媽港甚内《あまかわじんない》にも、立派《りっぱ》に
恩返しが出来る愉快さは、――いや、この愉快さを知るものは、わたしのほかにはありま....
「或る女」より 著者:有島武郎
という事でしょうよ。これまでのあなたのお心尽くしでわたしはもう充分。またいつか御
恩返しのできる事もありましょう。……それではこれで御免くださいまし。お妹御《いも....
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
泣いた。 「御主人のお慈悲を仇《あだ》やおろそかに思ってはならないぞ。この上の御
恩返しにはせいぜい気をつけて御奉公をしろよ」 主人の前で妹にくれぐれもこう言い....
「大島が出来る話」より 著者:菊池寛
夫人との関係は『与えられる』と云う関係に尽きて居た。彼は近藤夫人に対して、何等の
恩返しもしなかった。ただ夫人の恩恵を、真正面から受け、夫に対して純な感謝の情を、....
「恩を返す話」より 著者:菊池寛
中でいろいろと頭を悩ました。そして、とうとうこの不快を取り除く第一の手段は、早く
恩返しをすることだと考え付いた。惣八郎の危難を助けてやればよい、彼の受けただけの....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
新しい命を貰わねば助かり様のない身体です。今までも既に一度新しい命を貰って、其の
恩返しに、密旨の為に働いて居るのだから今度も矢張り新しい命を貰い、爾して幸福の中....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
をならべて、似而非道学者の坂田なんぞを見返そうと云った江戸児のお嬢さんに、一式の
恩返し、二ツあっても上げたい命を、一ツ棄てるのは安価いものよ。 お前さんにゃ気....
「幽霊妻」より 著者:大阪圭吉
みは、必ずお晴らし申します。特別御贔屓にして頂きました私めの、これがせめてもの御
恩返しでございます。 ――大体、そんなことがその手紙には書いてあったのでござい....
「納豆合戦」より 著者:菊池寛
さえ、前よりはよほどおとなしくなったように見えました。私は、納豆売のお婆さんに、
恩返しのため何かしてやらねばならないと思いました。それでその日学校から、家へ帰る....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
悔した。 「他にお詫びのしようもない。ただ、立派な人物になろう。それが何よりのご
恩返しだ」 それからの彼と云うものは、武事に文事に切磋琢磨し、事ごとに他人の眼....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
の、あろう事か、慈悲を垂れりゃ、何とやら。珠は掴む、酒の上じゃ、はじめはただ、御
恩返しじゃの、お名前を聞きたいの、ただ一目お顔の、とこだわりましけ。柳に受けて歩....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
寄らっしゃるな、しばらく人間とは交らぬ、と払い退けるようにしてそれから一式の
恩返しだといって、その時、饅頭の餡の製し方を教えて、屋根からまた行方が解らなくな....
「アラビヤンナイト」より 著者:菊池寛
およめさんになっておくれ、そしてわしの娘になっておくれ、それがわしにできる一番の
恩返しだ。」と、言いました。 さて、それからずいぶん後までも、アリ・ババは、こ....
「赤格子九郎右衛門の娘」より 著者:国枝史郎
元気を恢復し、卜翁の好意ある進めに従い、穢わしい商売から足を洗い、一つは卜翁への
恩返し、小間使いとして働くことになり、病気と云って誰にも逢わず離れ座敷に引き籠も....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
、とまで言って下すった、県庁の課長さんへの義理、中絶はしても、資本を出した人への
恩返し。……御先祖がたへの面目と、それよりも何よりも、恋女房の御新造さんへ見せた....