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恭
「恭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
恭の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
た姿を具えていた。が、彼は私と顔を合わすと、昔風に両肱《りょうひじ》を高く張って
恭《うやうや》しく頭《かしら》を下げながら、思ったよりも若い声で、ほとんど機械的....
「鼻」より 著者:芥川竜之介
、病が起ったのかも知れぬ。
内供は、仏前に香花《こうげ》を供《そな》えるような
恭《うやうや》しい手つきで、鼻を抑えながら、こう呟いた。
翌朝、内供がいつもの....
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
心もちに、せめては御憐憫《ごれんびん》を御加え下さい。わたしはいつか甚内の前に、
恭《うやうや》しく両手をついたまま、何も申さずに泣いて居りました。……
その後....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
竿を大きく両腕に抱《いだ》きながら、大路《おおじ》のただ中に跪《ひざまず》いて、
恭《うやうや》しげに頭を垂れました。そうして眼をつぶったまま、何やら怪しげな陀羅....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
釈《えしゃく》を返すじゃありませんか。しかもその会釈が、前のそれに比べると、遥に
恭《うやうや》しいものなのです。私はやっと最初の目礼が私に送られたのではなかった....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
ら、早速二人のまん中へ、紫檀《したん》の小机を持ち出した。そうしてその机の上へ、
恭《うやうや》しそうに青磁《せいじ》の香炉《こうろ》や金襴《きんらん》の袋を並べ....
「煙管」より 著者:芥川竜之介
くろで》の黄八丈《きはちじょう》に、黒の紋附《もんつき》の羽織を着た坊主が一人、
恭《うやうや》しく、彼の前へ這って出た。顔を上げずにいるので、誰だかまだわからな....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
いつもと違って、お栄の泣くのにも頓着せず、その麻利耶観音の御宮の前に坐りながら、
恭《うやうや》しく額に十字を切って、何かお栄にわからない御祈祷《ごきとう》をあげ....
「松江印象記」より 著者:芥川竜之介
ことができるだろうと思う。
自分は最後にこの二篇の蕪雑《ぶざつ》な印象記を井川
恭氏に献じて自分が同氏に負っている感謝をわずかでも表したいと思うことを附記しておく(おわり)
(大正四年八月)....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
拝者であった。
「お早うございます。」
若者は愛想《あいそ》笑いを見せながら、
恭《うやうや》しく彼に会釈《えしゃく》をした。
「お早う。」
彼はこの若者にま....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
つ、御酒徳利が一対、それから赤青黄の紙を刻んだ、小さな幣束《へいそく》が三四本、
恭しげに飾ってある、――その左手の縁側の外は、すぐに竪川の流でしょう。思いなしか....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
だとわかったかと云うと、「上人《しょうにん》の祈祷された時、その和郎《わろう》も
恭しく祈祷した」ので、フランシスの方から話をしかけたのだそうである。所が、話して....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
り、紀念として之を座右に謹呈するに当たり、この由来の一端を記すこと爾り。 淺野正
恭 霊界通信――即ち霊媒の口を通じ或は手を通じて霊界居住者が現界の我々に寄せる....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
求することもない。况んやこの全能の神が、天界の玉座に鎮まりて、選ばれたる者どもの
恭敬に浸ることを歓び、失われたる者どもの、苦悩を見物することを楽しみとするような....
「恒藤恭氏」より 著者:芥川竜之介
恒藤
恭は一高時代の親友なり。寄宿舎も同じ中寮の三番室に一年の間居りし事あり。当時の恒....