恭謙[語句情報] »
恭謙
「恭謙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
恭謙の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
して、ぴしゃりと立て切った。
「アハハハ君は刑事を大変尊敬するね。つねにああ云う
恭謙《きょうけん》な態度を持ってるといい男だが、君は巡査だけに鄭寧《ていねい》な....
「ナポレオンと田虫」より 著者:横光利一
侍医を密かに呼ぶと、古い太鼓の皮のように光沢の消えた腹を出した。侍医は彼の傍へ、
恭謙な禿頭を近寄せて呟いた。 「Trichophycia, Eczema, Ma....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
事を記して、サラー夫人は当時有名なる文学者であったけれども、その性質は極めて貞淑
恭謙で、自ら進んで名を求めるような事は一切これを避け、且つまた夫人の家は富裕でな....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
ある。戸沢惟清、通称は八十吉、信順在世の日の側役であった。才幹あり気概ある人で、
恭謙にして抑損し、些の学問さえあった。然るに酒を被るときは剛愎にして人を凌いだ。....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、ずいぶんたちのよくない挙動と見られても仕方がないのであります。先方が、いよいよ
恭謙であり、礼儀正しくあることによって、兵馬は自分で浅ましいと思いながらも、ここ....
「女大学評論」より 著者:福沢諭吉
、気随ならしむ可らずとは、父母たる者は特に心を用いて女子の言行を取締め、之を温良
恭謙に導くの意味ならん。温良
恭謙、固《もと》より人間の美徳なれども、女子に限りて....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
そういう超人の慶正卿であった。 その神々しい風采は狂信者の覚明や郷民達をさえ、
恭謙の心へ導いてしまった。 で、にわかに洞窟の内は、静粛となり平和となった。 ....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
孔子《こうし》の教えのごときは、よほど俗界に縁《ゆかり》の近いものであるが、なお
恭謙譲の三者をもって最高の徳として考えている。もちろんこれらはいずれも個人を主と....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
!」と老儒者は前こごみにしていた、体の半分を後へ引くと、改めてグッとすわり直し、
恭謙そのものを形に現わしたならば、こうもあろうかと思われるような、――そういう恭....
「三国志」より 著者:吉川英治
していたのは、やはり長男の曹丕でしかなかった。曹丕は親の目から見ても、篤厚にして
恭謙、多少、俗にいう総領の甚六的なところもあるが、まず輔弼の任に良臣さえ得れば、....