息が切れる[語句情報] » 息が切れる

「息が切れる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

息が切れるの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
路上」より 著者:芥川竜之介
俊助の手をひっぱって、 「辰子さんはね、あすこの梯子段《はしごだん》を上っても、息が切れるんだとさ。僕は二段ずつ一遍にとび上る事が出来るんだぜ。」 俊助は辰子....
仙人」より 著者:芥川竜之介
加減と、体の具合が悪いのとで、余計、商売に身が入らない。節廻しの長い所を唱うと、息が切れる。喉も昔のようには、冴《さ》えなくなった。この分では、いつ、どんな事が....
夢十夜」より 著者:夏目漱石
》った子にひいひい泣かれると、母は気が気でない。御百度の足が非常に早くなる。大変息が切れる。仕方のない時は、中途で拝殿へ上《あが》って来て、いろいろすかしておい....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
だちの顔を見に行って来たよ。おれもへぼくなった。上の伏見屋まで坂を登るぐらいに、息が切れる。それにあの金兵衛さんがおれをつかまえて放さないと来てる。いろいろの宿....
加護」より 著者:宮本百合子
さんがしんから弱っているとは信じられなかった。 たった、四十四や五で、歩いても息が切れるほど老衰するものだろうか? お幾は、年頃の時代から、頭の痛いことさえ....
渋江抽斎」より 著者:森鴎外
「おっ母様、大そうせかせかしますね」といった。 「ああ年のせいだろう、少し歩くと息が切れるのだよ。」五百はこういったが、やはり話を罷めずにいた。 少し立って五....
モスクワ印象記」より 著者:宮本百合子
、手すりにつかまり二段ずつ階段をとばして下から登ってきた。彼は若くない。肥った。息が切れる。新しくないサルフェトカで風を入れつつ六十二号、日本女の隣を開けた。ホ....
雪魔」より 著者:海野十三
たが、それをふりかえる余裕もなく、二人はなおも一生けんめいに斜面をはいのぼった。息が切れる。心臓が破裂しそうだ。 響が小さくなったとき、二少年は始めて生命を拾....
神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
牡丹を抱いた白鷺の風情である。 見まい。 「水をのみます。小県さん、私……息が切れる。」 と、すぐその榎の根の湧水に、きように褄を膝に挟んで、うつむけに....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ずこっちを出し、さて次にこっちを出しとやってゆく。そうやってゆく根気がつづくか、息が切れるかというところが、かね合いのようである。 私の特長となっていた傾向と....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
われわれの右にはクラリモンドが飛ぶように馬を走らせ、わたしたちにおくれまいとして息が切れるほどに努力しているのを見ました。間もなくわれわれは平坦な野原に出ました....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
はやはり徐々にめいり込んでいっていた。フォーシュルヴァンは息をあえぎ叫んだ。 「息が切れる! 胸の骨が折れそうだ! 起重機を! 何かを! ああ!」 マドレーヌ....
雪柳」より 著者:泉鏡花
水は、実は途中で、三度ぐらい飲んでいましたから、東海会社社長の顔を見ると斉しく、息が切れる、茶を一杯、といって、それから焼芋、蕎麦、大福の謎を掛けた。申すまでも....
歌う白骨」より 著者:妹尾アキ夫
ず上手なんだろう? どうしておれのことを喋ったか?」 「喋りゃせんよ。」トッドは息が切れるような声だった。「喋りゃせん。放してくれ、ローク。悪気はなかったんだよ....