息も絶え絶え[語句情報] » 息も絶え絶え

「息も絶え絶え〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

息も絶え絶えの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
侍の上へ折り重なって、仰向けにぐたりとなる――その時、始めて月の光にぬれながら、息も絶え絶えにあえいでいる、しわだらけの、蟇《ひき》に似た、猪熊のばばの顔が見え....
「河童」より 著者:芥川竜之介
童をはじめ、七八匹の雌雄《めすおす》の河童を頸《くび》のまわりへぶら下げながら、息も絶え絶えに歩いていました。しかし僕は年の若い河童の犠牲的精神に感心しましたか....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
た。 結婚から逸作の放蕩時代の清算、次の魔界の一ときが過ぎて、わたくしたちは、息も絶え絶えのところから蘇生の面持で立上った顔を見合した。それから逸作はびびとし....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
も気の毒な位であった。 朔造氏は幕に這入ると、装束のまま楽屋の畳の上に平伏して息も絶え絶えに噎せ入ったが、その背後から翁が、 「ええい……このヒョロヒョロ弁慶....
「元禄時代小説第一巻「本朝二十不孝」ぬきほ（言文一致訳）」より 著者:井原西鶴
の□所を越えてようやくようよう麓のここまで下って来てこの一群の子供達のそばに来て息も絶え絶えの様な声をして「人の住んで居る所まではまだ遠いのですか」ときく様子は....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
うな急激な大声を交えながらも、細かな旋律的効果を、内気な涙っぽい細やかな気分を、息も絶え絶えの最弱音の調子を、ねらったものであった。豊満と平衡との欠除であり、甘....
「桜の森の満開の下」より 著者:坂口安吾
とき、夢の中から我にかえった同じ気持を見出しました。夢と違っていることは、本当に息も絶え絶えになっている身の苦しさでありました。 ★ 男と女とビ....
「発掘した美女」より 著者:坂口安吾
はかなき肉体の接触を空想して、それを最後の、しかし無上のものと考えたほどである。息も絶え絶えに、幻想を見ながら登ったのである。 ついに登りつめた。初音サンは背....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
、もう一度杜子春の答を促しました。もうその時には二匹の馬も、肉は裂け骨は砕けて、息も絶え絶えに階の前へ、倒れ伏していたのです。 杜子春は必死になって、鉄冠子の....
「鴉片を喫む美少年」より 著者:国枝史郎
抑えられ、寝台の上へ捻じ仆され、圧殺されようとしているのだ。 「タ、助けて！」と息も絶え絶えに、その宋思芳が僕へ云った。 で、僕はほとんど夢中で、その外人へ飛....
「月世界競争探検」より 著者:押川春浪
薬※」 「はい。」 と東助がさし出す気付を口に入れて、吸筒の水を呑ませると、今迄息も絶え絶えに唸いていた博士は、ようように眼を開けた。 「叔父さん。お気が付きま....
「犯人」より 著者:坂口安吾
、花井は逃さなかった。 彼女は自宅に駈けこむと、花井が同時に駈けこんだ。彼女は息も絶え絶えであったが、花井はなんでもない顔で、息が切れていても、それが当り前の....
「可能性の文学」より 著者:織田作之助
格を持った人間であることを忘れるくらいの目に会って、死に物ぐるいで奈良に到着し、息も絶え絶えになって御物を拝見してまわり、ああいいものを見た、結構であったと、若....
「奇巌城」より 著者:菊池寛
ートルレも驚いて走り寄る。 この時ルパンは相手から手を放し、その傍に突伏して、息も絶え絶えに声を呑んで男泣きに泣いた。 ああ、とうとう悲劇は来た。 巨人ル....
「中毒」より 著者:織田作之助
なことは最も簡潔に描くべし」という一種の技巧論を信じているから、例えば映画でも、息も絶え絶えの状態にしては余りに声も大きく、言葉も明瞭に、断末魔の科白をいやとい....