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「息を入れる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

息を入れるの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
虞美人草」より 著者:夏目漱石
す。室《へや》のなかはざわついてくる。明かるい世界へ馳《か》け抜けた汽車は沼津で息を入れる。――顔を洗う。 窓から肉の落ちた顔が半分出る。疎髯《そぜん》を一本....
」より 著者:夏目漱石
、好加減《いいかげん》な所に眼口まで墨で書いてあるのに宗助は感心した。その上一度息を入れると、いつまでも膨れている。かつ指の先へでも、手の平の上へでも自由に尻が....
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
っき》のように目覚《めざま》しい食方もしなかった代りに、ハンケチを使って、中途で息を入れると云う不体裁もなく、蒸籠《せいろ》二つを安々とやってのけたのは結構だっ....
縷紅新草」より 著者:泉鏡花
ぶ時分、道があいて、東京へ立てたんだが。―― ――ああ、そうか。」 辻町は、息を入れると、石に腰をずらして、ハタと軽く膝をたたいた。 三 そ....
ワンダ・ブック――少年・少女のために――」より 著者:ホーソーンナサニエル
をつまんで、薔薇色の口に入れました。 旅の人はつづいて、彼が一年間ぶっ続けに、息を入れるために休みもしないで、大変足の速い牡鹿を追っかけて行って、とうとうその....
丹下左膳」より 著者:林不忘
の屈強で好奇《ものずき》なのが、うしろから駕籠かきを押したり、時には、駕籠舁きが息を入れるあいだ、代わってかついで走ったり……こんなことはなかったなどと言いっこ....
紅白縮緬組」より 著者:国枝史郎
図をして、樹立の蔭へ身を隠した。女乗り物の同勢はやがて坂を上り切り、ちょっと一息息を入れると、そのままズンズン行き過ぎようとする。 つと現われたのは紋十郎であ....
夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
りましたが、それが止みますと、今度はまた笙が鳴り出して――いいえ、無論それには、息を入れる所謂間が御座いましたのですわ。所が、その音は網扉が開くと同時に、パタリ....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
、自己の生命力を尽して戦い切らなければならない。――他人が戦っている間、ほっと一息を入れるというような余裕なども、試合にはない。 ――粛として、彼の友だちは皆....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
曇のした鏡のように光っている。先へ登って休んでいた二人と一緒になって、私達も暫く息を入れる。 西南の風を真ともに受けながら、大岩の露出した山腹を登り始めた時に....