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息を吹き返す
「息を吹き返す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
息を吹き返すの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「奈々子」より 著者:伊藤左千夫
思わないから、いちばんあとで池を見たら浮いていたんですもの、という。 それでも
息を吹き返すこともやと思いながら、浮いておったということは、落ちてから時間のある....
「ゼーロン」より 著者:牧野信一
ので、こう云ってかなたを指差したならばさすがの驢馬も往時の花やかな夢を思い出して
息を吹き返すであろうと考えたが無駄になった。私は、その洞《うつ》ろな耳腔《みみ》....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
場合、突然の驚きに似た卒倒と、それに引続く身神の全機能の停止があって後に、やがて
息を吹き返すと、挙動が全く別人のようになる……すなわち心理遺伝の夢遊発作を初める....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
極むるであろう。清い柔らかな風がいま一度吹き渡る。天はますます青く澄み、緑草は気
息を吹き返す。私はこの寂しき公園の青草の上に天を仰いで転びたい。そしてあのいい色....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
生れて半時《はんとき》も経たぬ間に、もうひょこひょこと歩き出すそうですが、弁信は
息を吹き返すと間もなく、平常《ふだん》の調子で、すらすらと話し出しました、 「ち....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
吹した。が、半分化石し掛った思想は耆婆扁鵲が如何に蘇生らせようと骨を折っても再び
息を吹き返すはずがない。結局は甲冑の如く床の間に飾られ、弓術の如く食後の腹ごなし....