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息を殺す
「息を殺す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
息を殺すの前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「いのちの初夜」より 著者:北条民雄
遠くで鯨波をあげている。また近寄って来るらしいのだ。蜜柑の根もとに跼《かが》んで
息を殺す、とたんに頭上でげらげらと笑う声がする。はっと見上げると佐柄木がいる。恐....
「鯉魚」より 著者:岡本かの子
いて下さらない、怖《こわ》いから」 これは難題です。蘆《あし》の葉のそよぎにも
息を殺す二人の身の上に取って、このくらい冒険《ぼうけん》はありません。見付かった....
「鼻の表現」より 著者:夢野久作
、その本人の性格の象徴として認められているものとも考えられるのであります。 「鼻
息を殺す」という形容詞も同様に鼻の表現の一つとして認められ得るのであります。これ....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
ろ、その夜は、何時間も続けざまに息を殺し、それから長い低い溜息を一つ吐いて、また
息を殺すと言われるあの闇夜なのであったから。 玄関の大扉が背後で鏘然たる音を立....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
と、銀簪をもとの通り灰の中へ投げいれ、行灯を吹きけして勝手へはいり、障子のかげで
息を殺す。 軽い足音は、忍び忍び格子戸の前まで近づいて来て、しばらくそこで躊躇....