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息杖
「息杖〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
息杖の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「槍ヶ岳第三回登山」より 著者:小島烏水
て「又一本立てよう」と休息の合図をした。(立ちながら休むときは、脊の担い梯子へ、
息杖を当てがって、肩を緩めるので「一本立てる」というのである。) 殺生小舎から....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
き》とをじっと見ていました。駕籠が二挺釣らせてありました。人足は提灯を持ったり、
息杖《いきづえ》をかかえたり、煙草を喫んだりして、居たり立ったりしていました。こ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
とはありません。 驚いて逃げ足をした駕籠舁《かごかき》も、兵馬の手並に心強く、
息杖《いきづえ》を振《ふる》って加勢するくらいになったから、悪者どもは命からがら....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
るうちに、草臥れるから、稽古の時になまけるのに、催促をされない稽古棒を持出して、
息杖につくのだそうで。……これで戻駕籠でも思出すか、善玉の櫂でも使えば殊勝だけれ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
り》をかい、なお、万一の時の用意に、慶長年代の火縄の鉄砲を主は持ち出し、駕籠屋は
息杖《いきづえ》をはなさず、馬方は手頃の棒を持っていました。 久助とお雪は、裏....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ほどの峠――それでも峠の上の地蔵堂らしいところの前で、ちょっと馬を休ませ、駕籠の
息杖を休ませました。馬上で、平湯の方をふり返ったお雪は、なんとなく名残《なご》り....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
い六尺近いかご舁《か》きが十人、ガッシと腰をおとして足並みゆたかに、踊りのように
息杖《いきづえ》をふるって、あっというまにあさくさばしを渡り過ぎたのだが!
あ....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
薬を貼ったのやら……。
エイ! ホウ! トットと最初《はな》から足をそろえて、
息杖振って駈け出しました。
吉田を出ると、ムッと草の香のする夏野原……中の二人....
「ステッキ」より 著者:寺田寅彦
たものか、ともかくもいわゆるステッキとはだいぶちがったものである。それから雲助の
息杖というものがある、あれの使用法などは研究してみたらだいぶおもしろそうなもので....
「稚子法師」より 著者:国枝史郎
四 「もし」と幽霊は尚呼びかけた。「せめて和尚様の突いて居られる其自然木の
息杖でも残して行っては下さりませぬか」 「杖ぐらいなら進ぜようとも」 振り返え....
「銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
た緋の蹴出しだ。 「化物だあァ!」と叫ぶ声がした。石地蔵の六が叫んだのであった。
息杖を握ると飛び込んで来た。と、娘は入り身になり、六蔵の右腕をひった。ギー、ギー....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
、対手にしなかった。湯本から、登りになった。石段道へかかった。駕屋は、沈黙して、
息杖を、こつこつ音立てながら、駕を横にして、ゆるゆる登りかけた。
一町か、一町....
「巷説享保図絵」より 著者:林不忘
に出て、お駒ちゃんを駕籠へ乗せた。駕籠は、もう呼ばれて来て、ふたりの駕籠かきが、
息杖《いきづえ》を突いて待っていた。久助が格子《こうし》をあけたまま、小腰をかが....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
という道筋を山の絶頂からよく望んで置きまして、それから荷物をやっとこさと背負って
息杖を頼りにその雪の中を進んで行ったです。ところがこれまでは日表の山の方であるか....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
てた乞食だ、生意気な此の野郎殴れ」 と原文に三島安という東海道喰い詰めの奴で、
息杖を取って打って掛ったが、打たれるような人じゃア有りません、真影流の奥儀を極め....