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「恵与〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

恵与の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
碧眼托鉢」より 著者:太宰治
ろ、牧水全集のうちの、紀行文を読みはじめていた。フィリップの「小さき町にて。」を恵与されたのは、そのころのことであった。読んでみようと思った。読了して、さらに再....
俳諧瑣談」より 著者:寺田寅彦
ころによると、その俳人がこの人のためにもし何かのたしになるならと言って若干冊だけ恵与されたものだそうである。しかしそれをどうすればよいのかわからなかったので、は....
妖僧記」より 著者:泉鏡花
奇絶なる鼻の持主は、乞丐の徒には相違なきも、強ち人の憐愍を乞わず、かつて米銭の恵与を強いしことなし。喜捨する者あれば鷹揚に請取ること、あたかも上人が檀越の布施....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
、一銭のお手の中を頂くにも、人間となると浅ましい思いをするが、この良夜を無代価に恵与する天然の贅沢《ぜいたく》はすばらしいものだ」 「その天然の贅沢を、無条件で....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
き、彼は編集者らの冷淡さに息づまる心地がした。一言の返事、ただ一言! それだけの恵与をも拒まれるのであろうか? けれども、それを彼に拒んだ者のほうでは、彼をどれ....
アイヌ神謡集」より 著者:作者不詳
大へん気に入った人間のある時,ちっとも思いがけない所へ,その人間に何か大きな幸を恵与すると,その人は ikashnukar an と云ってよろこびます. (11....
学問の独立」より 著者:福沢諭吉
む》るのみ。また、この大金を人民に下附するとはいえども、その人の私《わたくし》に恵与するに非《あら》ざるはむろんにして、私の字に冠するに共同の字をもってすれば、....
学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
てただ経済上の公をもってこれを論ずれば不都合なるに似たれども、一身の私徳において恵与の心はもっとも貴ぶべく最も好《よ》みすべきものなり。譬《たと》えば天下に乞食....
雪柳」より 著者:泉鏡花
さい。で、二日ばかりおいて、両国まで、その持参です。……なくなしたお小遣の分まで恵与に預る。……余程曳船へ廻りたかった。堅豌豆ぬきの精進揚か、いや、そんなものは....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
に、救世軍の一行(みな婦人)、各街角に銭函を携えて佇立し、来往の人に一ペンスずつ恵与を請う。懐中の銅貨たちまち空となる。また、犬の背上に銭函を結び付け、無言の動....
エタに対する圧迫の沿革」より 著者:喜田貞吉
ともなる。従来権利として要求した櫓銭・棚銭、その他村人よりの役料も、祝儀としての恵与、慈善によるの施行となった。竹皮草履・藺表金剛も、競争して安売りせねばならぬ....