恵比須[語句情報] » 恵比須

「恵比須〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

恵比須の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
河明り」より 著者:岡本かの子
「また、こういうことがありました。僕が尋常小学に入った時分でした。その夜は堺屋で恵比須講か何かあって、徹夜の宴会ですから、母親は店へ泊って来る筈です。ところが夜....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
た。 旧暦十一月の四日は冬至の翌日である。多事な一年も、どうやら滞りなく定例の恵比須講を過ぎて、村では冬至を祝うまでにこぎつけた。そこへ地震だ。あの家々に簾を....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
した大きな爺さんが「これははァ御先生様」と挨拶した。 やがてニコ/\笑って居る恵比須顔の六十|許の爺さんが来た。石山氏は彼を爺さんに紹介して、組頭の浜田さんで....
怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
これだけの身代になったのは誰のお蔭だ、お互にこゝまでやったのじゃアないか」 伴「恵比須講の商いみたように大した事をいうな、静かにしろ」 みね「云ったっていゝよ、....
大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
大阪の町は暗いのが特長だといっていいかも知れない。ずっと以前は梅田から堺筋を経て恵比須町にいたる間において、ただ日本橋のあたりが夜の灯に輝いたに過ぎなかった。そ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
「そもそも、天の返矢といっぱ……」 そこで踊りの面々が、おのがじし踊り出すと、恵比須《えびす》の面《めん》をかぶったのが、いちいちその間を泳いであるいて、この....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
へ一里十一町 垂井より関ヶ原へ一里半(その間に野上) お角から指定された宿の恵比須屋へ米友が到着しました。 恵比須屋の上壇の座敷を二間も占領して、頑張って....
鑢屑」より 著者:寺田寅彦
の両脇に男と女の立像がある。 これはたぶん商工業の繁昌を象徴する、例えば西洋の恵比須大黒とでも云ったような神様の像だろうと想像していたが、近頃ある人から聞くと....
阿亀」より 著者:豊島与志雄
が、白々と浮出していた。能面の二倍ほどもある大きさのもので、欄間一杯の扇の真中に恵比須《えびす》と大黒との像のはいった小箱をわきにして、にこやかな永遠の笑顔を見....
四国遍路日記」より 著者:種田山頭火
がよくないぢいさんばあさん夜が長く 十一月九日 曇――雨、行程三里、和食松原、恵比須屋。 四時半起床、雲ってはいるが降ってはいない、助かった! という感じであ....
駅夫日記」より 著者:白柳秀湖
狭い掘割の中で小山ほどもある崖を崩して行くので、仕事は容易に捗らぬ、一隊の工夫は恵比須麦酒の方から一隊の工夫は大崎の方から目黒停車場を中心として、だんだんと工事....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
くる小石室あり(台湾もまたしかり)、その中福神の像を安置す。その貌ややわが大黒、恵比須に似て、服装を異にす。その前に香花を捧ぐ。また、毎戸の前隅に聚宝碑と名づく....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
で、彼はやはり煙筒廃止の必要を痛切に感じた。 彼は一時間ばかりかかってようやく恵比須町につき、後宮の貧民窟に帰って来た。 帰ってみると、彼の家の前には、ゴロ....
六日月」より 著者:岩本素白
は心静かに高台寺の下を歩く。 秋も漸く深い夜を、東山の影は黒々と眠って居たが、恵比須講の灯に明るい四条通り、殊に新京極の細い小路にはいる辺りは、通り切れぬほど....
賤民概説」より 著者:喜田貞吉
神と仰ぎ、ホカイをなすにも、西の宮の夷神の木偶を作ってそれを舞わす。これを古く「恵比須かき」とも、「恵比須舞わし」とも云った。彼らは手に恵比須の人形を舞わしつつ....