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悉皆
「悉皆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
悉皆の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
ったのじゃ。『取彼乳糜《かのにゅうびをとり》如意飽食《いのごとくほうしょくし》、
悉皆浄尽《しっかいじょうじんす》。』――仏本行経《ぶつほんぎょうきょう》七巻の中....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
言った。 逸作は身体を揺り上げながら笑っている間に画家らしく、雛妓の顔かたちを
悉皆観察して取ったらしく、わたくしに向って、 「名前ばかりでなく、顔もなんだかお....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
張せんと欲す、ゆえに教育の事、電信の事、郵便の事、その他すべて公衆に係れる事をも
悉皆人民に委托してけっして政府をしてこれらの事に関せしめざるを良善となす、しかる....
「灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
の行衛を尋ねていた。 『ドウダネ、堀出し物でもあるかネ?』 『何にもありません。
悉皆焼けて了いました、』とKは力の抜けた声をして嘆息を吐いた。 『シーボルトは?....
「極楽」より 著者:菊池寛
京師室町姉小路下る染物
悉皆商近江屋宗兵衛の老母おかんは、文化二年二月二十三日六十六歳を一期として、卒中....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
また、父の軍服、刀剣、馬具等は、マントのごとき子供等に利用し得るものの外は、
悉皆売払ったらよかろう。これはちょっとした金になると思う。売りかたについては山田....
「月世界競争探検」より 著者:押川春浪
第に増して、月へ月へと吸い付けられるようにと下降し初める。文彦は、 「ブレーキを
悉皆かけてくれ。」 と東助に命じて、自分は注意して電圧器を加減しながら、一心に梶....
「月世界跋渉記」より 著者:江見水蔭
振り向いて、 「おい山本。一寸あちらの貯蔵庫を検べて見てくれないか。先刻の騒ぎで
悉皆壊れているかもしれない。あれが使えなくなってはそれこそ大変だ。」 「ハ。」と....
「悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
へへ、どうか沢山お置き下さいまし」 「いや、冗談じゃア無い、真剣なんだ。その代り
悉皆こっちの味方になって、大働きに働いて貰わなければならないんだがね」 「へえ、....
「瘠我慢の説」より 著者:木村芥舟
数旬を経て病癒て退院せんとする時、その諸費を払わんとせしに院吏いう、君の諸入費は
悉皆福沢氏より払い渡されたれば、もはやその事に及ばずとなり。 後また数旬を経て....
「夜釣の怪」より 著者:池田輝方
たんです。 それから、何だろうかと思っていると、旋てその女郎屋の主人が、釣棹を
悉皆纏めて、祖父の背後へやって来たそうです。それで、「もう早く帰ろう。」というん....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
傍には安行と市郎の二人が同く黙って坐っていた。 「冬子さん、何うだね。気分は既う
悉皆快いのかね。」と、安行は霎時して口を切った。 「はあ、有難うございます。お庇....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
四十七ポンドなり。 スコットランド非国教宗中、フリー・チャーチ宗の一年の収入、
悉皆総計(一八八七年中)五十九万二千八百五十五ポンド(三百八十万円)、この四十年....
「西航日録」より 著者:井上円了
たのホテルを照会して、ようやく最廉のものを得たり。すなわち、一昼夜三食を合して、
悉皆七フラン(わが二円八十銭)の旅宿料なり。しかるに、諺に「安かろう悪かろう」と....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
っくるめての宇宙の大生命体を指して言うのです。そして、この宇宙の万物は「草木国土
悉皆成仏」(涅槃経は専らこの思想を説き明す)と言って、生物も無生物も、みな満足の....