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悍
「悍〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
悍の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「文章」より 著者:芥川竜之介
。やはり禿《は》げ鷹《たか》に似た顔はすっかり頭の白いだけに、令息よりも一層｜慓
悍《ひょうかん》である。その次に坐っている大学生は勿論弟に違いあるまい。三番目の....
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
《あ》けたまま、ストオヴの側へ棒立ちになって、一二分の間《あいだ》はただ、その慓
悍《ひょうかん》な生徒の顔ばかり眺めていた。が、やがて家畜《かちく》のような眼の....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
き、手強《てごわ》い相手を見出さなかった。山の向うに穴居《けっきょ》している、慓
悍《ひょうかん》の名を得た侏儒《こびと》でさえ彼に出合う度毎に、必ず一人ずつは屍....
「或る女」より 著者:有島武郎
いえないほどの野心――もう一ついい換《か》ゆれば、葉子の記憶に親切な男として、勇
悍《ゆうかん》な男として、美貌《びぼう》な男として残りたいというほどな野心――に....
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
などと言いながら、茶碗に装って、婦たちは露地へ廻る。これがこのうえ後れると、勇
悍なのが一羽｜押寄せる。馬に乗った勢で、小庭を縁側へ飛上って、ちょん、ちょん、ち....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
嵐は過ぎ去った。高潔なる高屋市長は自殺し、敏腕を謳われた黒河内警視総監は辞職し、
悍雄動坂三郎はマスミの手で無理心中させられた。なにもかも一時に移り変ってまるで夢....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
とめている千手大尉が舌打ちした。 「いまいましいメリケン空軍の奴原だ」 その慄
悍なる敵機の一隊は、目標を旗艦｜陸奥に向けて、突入してきた。 「やってきたなッ。....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
偵を見たのであった。彼はスラリとした長身で、その骨組はまるでシェパードのように剽
悍に見えた。ただ彼はいつものように眼から下の半面を覆面し、鳥打帽の下からギョロリ....
「海底都市」より 著者:海野十三
にまずまっ先にオンドリを見つけて彼の肩を叩くことにした。 オンドリは、始めの慓
悍《ひょうかん》さをだんだんと失ってきて、次第にむずかしい顔付をするようになった....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
歩行より、車より、駕籠に乗ったより、一層｜鮮麗なものだと思う。その上、選抜した慓
悍な黒潮騎士の精鋭｜等に、長槍をもって四辺を払わせて通るのです。得意思うべしでは....
「空襲下の日本」より 著者:海野十三
、遂に飾りものに終ったらしい。愛国機や愛国高射砲を献納した国民は、勇敢に戦った精
悍な帝国軍人と共に、永く永く讃えられるべきだ。わが帝都のこれくらいの損害や、一時....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
銃声。 響き鳴る金属音。 地獄の中のような乱闘と悲鳴。 いかに印度志士が慓
悍であるとはいえ、十分武器をもったこうも大ぜいの兵員にとりかこまれては、どうにも....
「余裕のことなど」より 著者:伊丹万作
人をもあたりを払つて食ひければ」と書いてあるくらいだから、何しろ手のつけられない
悍馬であつたことは想像に難くない。首を反つくりかえらして口には雪のような泡を噛み....
「雑文的雑文」より 著者:伊丹万作
いつても日本が持つているのだからまことに御同慶のいたりである。 かくのごとく※
悍無類の批評家の軍勢が一作いずるとみるやたちまち空をおおうて群りくるありさまはも....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
るように思っていた。ステップニャツクの肖像や伝記はその時分まだ知らなかったが、精
悍剛愎の気象が満身に張切ってる人物らしく推断して、二葉亭をもまた巌本からしばしば....