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悟性
「悟性〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
悟性の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
だ。それは然し如何に言説するに易く実現するに難き事柄であろうぞ。私は幾度かかかる
悟性の幻覚に迷わされはしなかったか。そしてかかる
悟性と見ゆるものが、実際は既定の....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
世界はその昔暗黒に包まれて、捕えどころなく、物と物とを差別すべき目標もなかった。
悟性によってその概念を得るということもできず、またそれを示現することもできず、全....
「科学と文学」より 著者:寺田寅彦
これは決して偶然なことではないのである。いったい、科学の方法の基礎には一般人間
悟性に固有で必然ないろいろな方則とその運用のあらゆる形式が控えている。この形式は....
「科学論」より 著者:戸坂潤
於て両者を哲学に吸収して了う場合もある。ヘーゲルは当時の諸実証科学を目して、まだ
悟性的な段階に足踏みしている立場のものと考えた。と云うのは、諸範疇の絶対的対立と....
「現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
ントはその弁証法に於て、理性が矛盾に陥ることを示すことによって理性に限界――夫が
悟性であった――を与えようとしたが、ヘーゲルは却って矛盾に陥ることを理性の本性と....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
の自発性を有たぬものと考えられる。実際カントでは自発性を有つものは感性ではなくて
悟性乃至理性なのである。こうして、カント哲学の根柢にも横たわっていると考えられる....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
い。文学は表現で科学は分析だと云って見ても、又文学は直観や感情に基き科学は理性や
悟性や知能に基くと云って見ても、お座なりの説明でしかあるまい。感情と理性、直観と....
「文学の中の科学的要素」より 著者:寺田寅彦
らも畢竟は人間の「創作」したものである。人間の感官の窓を通して入り込んで来る物を
悟性や理性によって分析し綜合して織り出された文化の華である。それであるのに科学と....
「省察」より 著者:デカルトルネ
答える、この場合、観念なる語に両義性が伏在すると。すなわち、それは一方質料的に、
悟性の作用の意味に解せられることができ、この意味においては私よりも完全とは言われ....
「カメラに関する覚え書」より 著者:伊丹万作
もしも必然性を認めるとしたら、それは芸術家がその主観において、「よし」と判断する
悟性以外にはあり得ない。そしてその意味においてならば私は自分の作品のカメラ・ポジ....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
も、読んでみて、それがすこしも瑕にはならない、好い歌として歌いあげられる。情緒と
悟性との調和がそこに見られるからである。 花袋の月はこうした澄んだ心境にあって....
「クリティシズムと認識論との関係」より 著者:戸坂潤
も観念と呼べるとすれば、観念という言葉はやや明晰なものではなくなる。寧ろ概念とか
悟性とか反省とかいう言葉の方が間違いない。一つの感覚的印象についての概念的・
悟性....
「審判」より 著者:カフカフランツ
して起るかもしれない危険のことは、工場主の言葉で初めて気がついたのだった。自分の
悟性に対してほんとうにこんなにも信用できなくなったのだろうか? はっきりした手紙....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
態度を示して、
空想に、あるだけの取巻を附けて聞せて下さるですな。
取巻は理性に
悟性に感覚に熱情、なんでも結構でさあ。
だが、おどけと云う奴を忘れてはいけません....
「啓蒙の現代的意味と役割とについて」より 著者:戸坂潤
づけよう(拙著「日本イデオロギー論」の内・「啓蒙論」参考)。啓蒙哲学の本質はその
悟性は歴史の発展を一つの必然性と見る代りに、之を単なる缺陷誤謬偶然等々と見做し合....