悠遠[語句情報] »
悠遠
「悠遠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
悠遠の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ろまん灯籠」より 著者:太宰治
初枝女史の御不興を蒙《こう》むるやも計り難いので、おっかな、びっくり、心にも無い
悠遠な事どものみを申し述べました。そもそも初枝女史は、実に筆者の実姉にあたり、か....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
、そこで始めて、天体の発達に前進的と後退的の推移があるという、インドの哲学者等が
悠遠な昔から既に夢みていた観念を徹底的に追究することが可能となったのである。 ....
「惜別」より 著者:太宰治
出しが掲げられてある。本文を読んでみるまでもなく、私にはわかった。 「国の光の、
悠遠靉靆たる事に確信を持とうやないか。」先生は伏目になって、しんみりと言った。「....
「婦人改造の基礎的考察」より 著者:与謝野晶子
改造ということは最も古くして併せて最も新らしい意味を持っています。人生は歴史以前の
悠遠な時代に一たび文化生活の端を開いてこのかた、全く改造に改造を重ねて進転する過....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
注文の日を選んで、数十尺の超越から帝都の四境を見渡すと、そこに都人は、崇高にして
悠遠《ゆうえん》なる山岳のあこがれを呼びさまされて、自然と、人生との、髣髴《ほう....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
の灯と、囃子のとよもしとが手にとるようであった。波が砕けていた。 私は何か知ら
悠遠な気につつまれていた。神秘というものほどたましいを覗くものはない気がした。 ....
「本州における蝦夷の末路」より 著者:喜田貞吉
成立発展の歴史を続けているのであります。 しかしながら、何分にもその時代が甚だ
悠遠なる大昔の事でありますから、例えば遠方の景色を眺めると同様で、大体においてそ....
「動く絵と新しき夢幻」より 著者:小川未明
晩に一人の女性が、人生に感傷して歩いていたと云う姿が浮んで来る。自己対自然と云う
悠遠な感じがどの作品にも脉打つように流れている。 僕はそれ等の作品を目して、セ....
「随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
は告白する。 もちろん、武蔵は、長恨歌全文を、愛誦もし、白楽天のあの艶麗にして
悠遠な構想と宇宙観の示唆に富んだ一章一章をふかく玩味もしていたであろう。けれど、....
「神代史の研究法」より 著者:津田左右吉
われていた社会の話として見れば別に不思議はない。だから我々は歴史の伝わっていない
悠遠なる昔の風習や社会状態を研究し、それによって古い物語の精神を理解すべきである....
「日本橋附近」より 著者:田山花袋
んな時にでも人生を考えないことはない方の質だ。しかしその巴渦の中にいては落着いて
悠遠な境まで入って行くことが出来なかった。いろ/\な雑念がすぐそれを混乱させた。....