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患家
「患家〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
患家の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「少女地獄」より 著者:夢野久作
て安静に一夜を過ごさせたので、臼杵病院の姫草さんと言う名前が、私の名前よりも先に
患家の間に好評を博した事は、決して不自然でなかった。無論、私が助かった事も非常な....
「霊感!」より 著者:夢野久作
めて両膝をトントンとたたいた。 「その御心配なら絶対に御無用に願いたいものです。
患家の秘密を無暗に他所で饒舌るようでは医師の商売は立ち行きませんからね」 青年....
「追憶の医師達」より 著者:寺田寅彦
岡村先生が亡くなって後は小松という医者の厄介になった。老先生と若先生と二人で
患家を引受けていたが、老先生の方はでっぷりした上品な白髪のお茶人で、父の茶の湯の....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ば、模範的な世帯の見本だった。彼らはあまり外出しなかった。ブラウンはかなり多くの
患家をもっていたが、そこに妻を受けいれさせることができなかった。彼女は人から喜ば....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
けにこれぐらいのヤリトリは無事泰平の毎日の例にすぎないのである。 銀一をのせて
患家へとどけた車夫の太七、カラ車をひいて戻ってきて、待っていたお志乃をのせて去る....
「イオーヌィチ」より 著者:神西清
!」 四 四年たった。今ではもうスタールツェフには町にもたくさん
患家があった。毎あさ彼はヂャリージでの宅診を急いで済ませてから、町へ往診に出かけ....
「三筋町界隈」より 著者:斎藤茂吉
一先生はそのころ紀一郎といったが、紀一という文字は非常によいものだと漢学の出来る
患家の一人がいったとかで紀一と改めたのである。父の開業していた、その浅草医院は、....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
悦んできき、そして注意深き聡明な性質を示しました。それから十日ほどは働きに市内の
患家に行きました。私は熱心に愛をもって不幸な病人のために働くことを勧めました。十....
「長崎の鐘」より 著者:永井隆
、咽喉が渇くといえば、遠い谷間から岩清水を汲んでくる。ご飯がうまくないと聞けば、
患家でくれた二つの山梨をポケットへ入れて帰る。注射薬を捜しに往復六里の山道を長崎....
「三国志」より 著者:吉川英治
、さてひそかに、かねて用意の毒を薬籠の底にひそめ、供の者一名を召しつれ驢に乗って
患家へ赴いた。 曹操は、横臥して、彼のくるのを待ちかねていた。 自分の顔を、....
「美人鷹匠」より 著者:大倉燁子
相手の家の血統はよくよく調べておく必要はありますよ。――恐いからねえ」 そこへ
患家から迎えの自動車が来た。 「小夜子さん、私、直ぐ帰って来ますから――」 と....