悦に入る[語句情報] » 悦に入る

「悦に入る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

悦に入るの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
まに漂って、一望千金、一顧万両、伝六太鼓がいっしょにいたら、どんな鳴り音をたてて悦に入るか、恨むらくは座にいないのが玉に傷です。 しかし、うなぎは名人にとって....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
。曇った空から冷やりと来て風が額を撫でる。此処が千両だ、と大きな眼を細くして彼は悦に入る。向うの畑で、本物の百姓が長柄の鍬で、後退りにサクを切るのを熟々眺めて、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
を合わせると、不破の関守氏も、いい気になって、次から次へでくの坊を引っぱり出して悦に入るが、どうかすると、こっとう以外の珍物を引っぱり出して、よろしかったらこれ....
三木清を憶う」より 著者:豊島与志雄
前が上ったようだが、それもすべて、いくらかの程度に過ぎなかった。ひどく早うちで、悦に入ると盤上に涎を垂らすこともあった。 三木が二度目の夫人を亡くした後、その....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
ころがらしておいて、寄ってたかって世話を焼き、ぽってりと長い顎を撫でて、うへえと悦に入る長閑《のどか》な顔が見たいのだという。 脇坂《わきざか》の部屋を振りだ....
書記官」より 著者:川上眉山
後楯がついていると思って、大分強いなと煙管にちょっと背中を突きて、ははははと独り悦に入る。 光代は向き直りて、父様はなぜそう奥村さんを御贔負になさるの。と不平....
円太郎馬車」より 著者:正岡容
盛――“お茶《さ》か盛”がはじまったい。発案者たる大家さんはひとりで気分を出して悦に入るが、長屋の衆はアルコール分がないから滅入るばかりだ。第一、ダブダブの茶腹....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
教というと、理想を未来の遠方に置き、現実生活の煩わしさを避け、独り行い澄まして法悦に入るもののように思い做されやすくあります。また、そうすることこそ、高尚幽雅な....