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「悦楽〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

悦楽の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
高島異誌」より 著者:国枝史郎
境に彷徨したが、此の著しい変転は却って彼には良薬となり、俄然精神が一変し、現世の悦楽を求むる代りに、虚無融通の神仙道に、憧憬の心を運ぶようになった。 昔のまま....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
ころ、そこに悲哀があり、寂愁がある。人性の燦として輝くところ、そこに幸福があり、悦楽がある。人性の光輝を発揚せしめんとするところ、そこに努力があり、希望がある。....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
い。」 こうして、この奇蹟的によみがえった男を、ひと目見ただけで、人生の意義と悦楽とはすべて一朝にして滅びてしまうのである。そこで、この男を皇帝に謁見させるこ....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
どの邸宅も、みなこの並木通りにあった。こう言えば、諸君はこうした町が近代的生活と悦楽との焦点になっていることを容易に想像するであろう。 私はたびたびこの並木通....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
徒になると教会に来て日毎の行事に唄い踊って妙花天に遊ぶ果報にひたるのが人生最大の悦楽となり、自然に財産を寄進して無一物になるまでに至る。無一物になるにしたがって....
心霊殺人事件」より 著者:坂口安吾
常習にした怪物だから、あの好条件にめぐまれて仙七を一突きに刺し殺すのは久万ぶりの悦楽ぐらいにしか感じなかったかも知れないのである。動機はこれも稀薄だが、性格的に....
人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
実に戻るのを嫌うようになった。そして、ある詩の一句を口誦みながら、ひたすら幻想の悦楽に浸っていたのである――それは、眼前の渚に遊ぶ一個の人魚を見たからであった。....
俳優倫理」より 著者:岸田国士
論というものから、古代の人が宗教的祭典のなかに求めていた一つの集団としての喜び、悦楽、そういうものが今日どういう形で残っているかということを考えますと、古代の祭....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
デーがバーミンガムに旅行しておった時も、夫人に送った手紙に、 「結局、家の静かな悦楽に比ぶべきものは外にない。ここでさえも食卓を離れる時は、おん身と一緒に静かに....
高原の太陽」より 著者:岡本かの子
った青年の魂は、いつか人生を否定的にばかり見るようになった。あらゆる都会の文化も悦楽も青年の魂を慰めなかった。年少から酒を嗜むようになったのも、その空虚な気持ち....
明暗」より 著者:岡本かの子
対する同情は追い追い三木雄への尊敬と変り、三木雄の暗黒世界を開拓する苦労を智子は悦楽にさえ感じて来た。 海は蒼く、空も、そして梅は白く、椿は紅い。 まず、熱....
三つの痣」より 著者:小酒井不木
一本神経を掘り出して行く時の触感、内臓に刀を入れるときの手ごたえに私は酔うほどの悦楽を催おし、後には解剖学実習室が私にとって、楽園となりました。多くの学生は解剖....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
は持っていなかったものである。 彼がかくのごとく二畳敷御殿の伏魔殿(?)に生の悦楽を貪っている間に、路次を挟んだ両側の長屋には実に人類社会にあり得ざる悲劇を見....
自由なる空想」より 著者:小川未明
ムの運動を起さなければならぬ。先ず文芸に於て。自由に空想し、自由に想像し、自由に悦楽し、自由に反抗せよ! 新緑の好季節に、雑司ヶ谷の墓畔を散歩すると、そこには....
単純化は唯一の武器だ」より 著者:小川未明
形式、それであった。要は、様式の何たるかの問題でない。我等に、生甲斐を感じさせ、悦楽と向上の念とを与え、力強く生活の一歩を進めるものであったなら、芸術として、詩....