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悧巧
「悧巧〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
悧巧の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
隊脚絆《へいたいきゃはん》をはいていた。二十四五とみえる男で支那人のような冷静で
悧巧な顔つきをしていた。それが手ごろの風呂敷包を二枚の板の間に挾んで、棒を通して....
「みちのく」より 著者:岡本かの子
お蘭は少々|訝《いぶか》しく思えて来た。 「どこでよ、どうしてよ」 「そして、
悧巧《りこう》になって、お蘭さ嫁に貰いに来るだよ」 お蘭はふと、近頃人の噂《う....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の内意をうけて当分はいろいろに手を廻してみたが、お亀のありかは判らねえ。なかなか
悧巧《りこう》な女らしいから、素早く草鞋《わらじ》は穿《は》いてしまって、もう江....
「親子」より 著者:有島武郎
いるようだった。 「うまいことに行った。矢部という男はかねてからなかなか手ごわい
悧巧者だとにらんでいたから、俺しは今日の策戦には人知れぬ苦労をした。そのかいあっ....
「壊れたバリコン」より 著者:海野十三
た助手の妹で、彼が肋膜を患って寝たとき、欠勤の断りに僕を訪ねて来たことがあった。
悧巧な君は、それから先、僕等二人がどんな気持に落ちて行ったかを察することが出来る....
「蠅男」より 著者:海野十三
さん。さっき仰有ったように、この蠅男なる人物は、偽りの旅行中の看板をかけるような
悧巧な人間なんですよ。女だから蠅男でないとは云い切らぬ方がよくはありませんか。そ....
「気狂い機関車」より 著者:大阪圭吉
の速度が急変したかのように、長くなるのじゃないかね?」 「ふむ。仲々君も、近頃は
悧巧になったね。だが、もしも君の言う通り、そんなに早く機関車の方の血が少くなって....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
介しなさい。よく男を捨てる女って」 そして、彼女はうれしそうに笑った。神秘的に
悧巧そうな影を、額から下にヴェールのように持っているこの若い娘が、そうやって笑う....
「雷」より 著者:海野十三
書いているということだア」 「どうも豪いことだのう。あいつは内気だったが、どこか
悧巧なところがあると思ったよ。それにしても、四郎はあの爪弾きの松吉を莫迦に信用し....
「ヒルミ夫人の冷蔵鞄」より 著者:海野十三
のようなものが載っている。そして運転しているのは女だった。気品のある鼻すじの高い
悧巧そうな顔――だがヒステリー的に痩せぎすの女。とにかくその思いがけないスナップ....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
思うがね。」 爺は股引の膝を居直って、自信がありそうに云った。 「うんや、鳥は
悧巧だで。」 「
悧巧な鳥でも、殺生石には斃るじゃないか。」 「うんや、大丈夫でが....
「人体解剖を看るの記」より 著者:海野十三
ろした瞬間、僕は非常に厳粛な気持になったのである。なるほど、人間というものは実に
悧巧なものである。よくこういう医科学を研究したものだと思った。そして二三ミリもあ....
「荘子」より 著者:岡本かの子
い足して、麗姫が池の魚の逃げたのを恨んだ話をつけ加えて何気ない様子で軽く笑ったが
悧巧な田氏は大方夫の胸中は察して居た、しかも、何事も夫の気持ちのリズムに合わせよ....
「仲々死なぬ彼奴」より 著者:海野十三
おじいさんが、生き返るわけじゃ無いし……) 喜助の心は、どこまでも弱く、そして
悧巧であった。死んだ老人を甦らせる手のないのに、何をやっても駄目であるに違いなか....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
が、断れたら食かねない勢で、曳張り曳張りしたもんだから、三日めあたりから――蛇は
悧巧で――湯のまわりにのたっていて、人を見て遁げるのに尾の方を前へ入れて、頭を段....