»
悩
「悩〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
悩の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
うな》り声《ごえ》を挙げ、僅《わず》かに苦しみを紛《まぎ》らせていた。しかし彼を
悩ませたものは必しも肉体的苦痛ばかりではなかった。彼はお芳の泊っている間は多少の....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
くてはならないと申す訳ではございません。ただ、私がこの年になりますまで、始終頭を
悩まさずにはいられなかった問題でございますから、せめてその間の苦しみだけでも先生....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
ばら》の花をさした勝美夫人だったでしょうか。私は独りこのどちらともつかない疑惑に
悩まされながら、むしろその疑惑の晴れる事を恐れて、倉皇《そうこう》と俥に身を隠し....
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
る。
げに人間の心こそ、無明《むみょう》の闇も異《ことな》らね、
ただ煩
悩《ぼんのう》の火と燃えて、消ゆるばかりぞ命なる。
下
夜....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
者に、こんな事も話して聞かせたそうである。
六
この小犬に
悩まされたものは、雇婆《やといばあ》さん一人ではなかった。牧野《まきの》も犬が畳....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
白状した。実はさっきから、相手の妙な論理と、いろいろな事をよく知っているのとに、
悩まされて、追々この鼻眼鏡の前に一種の敬意に似たものを感じかかっていたのである。....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
に、一家のものどもを戸口《とぐち》へ呼び集めて、勿体《もったい》なくも、御主の御
悩みを、笑い興じながら、見物したものでござる。」
記録の語る所によると、クリス....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
を送っているこうした人々を駆って、われと我が命を断たしめるのは、いかなる深刻な懊
悩、いかなる精神的苦痛、傍目には知れぬ失意、劇しい苦悶がその動機となっての結果で....
「初雪」より 著者:秋田滋
。彼女は一日じゅう、客間にいても、食堂にいても、居間にいても、どこにいても寒さに
悩まされた。骨の髄まで冷たくなってしまうような気がした。良人は夕餉の時刻にならな....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
ちて川風に音ある時となりて清涼の気味滴る計りなり。人に怪しめられ巡査に咎められ懊
悩としたる気分も洗い去りて清くなりぬ。ただ看れば橋の中央の欄干に倚りて川面を覗き....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
見。両方という訳には行かぬ。いずれか一方に進まねばならぬ。これにファラデーは心を
悩ました。 結局、ファラデーの撰んだ途は、人類のために幸福であった。グラッドス....
「寡婦」より 著者:秋田滋
った。男の猟人たちは射撃の冒険談や兎を殺した話などをした。女連のほうも頻りに頭を
悩ましているのだったが、千一夜物語のシュヘラザアデの想像はとうてい彼女たちの頭に....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
れは、幽霊や、悪魔や、あるいは魔法使の女を全部一まとめにしたよりも、もっと人間を
悩ますあるものが、彼のゆく路を横ぎったりしなかったならばのことである。その、ある....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
賤しい仕事をあてがわれ、他人の残りものを食べて露命をつなぎ、夜はまた夜で、寒さに
悩みながら冷たい板の間で旅寐の夢をむすぶ身となった。こうした苦労がつもり積って、....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
殺したい慾望がまだ骨の髄を走り※ってむずむずさせる。もっぱら二十歳前後の若い者が
悩まされる恋の情火のようだ。 十月二十日―― また一人|殺った。昼食を済まし....