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「悪の華〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

悪の華の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
十本の針」より 著者:芥川竜之介
ない。「人として」のボオドレエルはあらゆる精神病院に充《み》ち満ちている。ただ「悪の華《はな》」や「小さい散文詩」は一度も彼らの手に成ったことはない。 ....
二十世紀旗手」より 著者:太宰治
ら噴き出した。あきらかに善人、女将あるいはギャング映画の影響うけて、やがて、わが悪の華、ひそかに実現はかったのではないのか、そんな大型の証拠、つきつけられては、....
令嬢アユ」より 著者:太宰治
感ぜられる。時々、背広服を着て旅に出る。鞄《かばん》には原稿用紙とペン、インク、悪の華、新約聖書、戦争と平和第一巻、その他がいれられて在る。温泉宿の一室に於いて....
土曜夫人」より 著者:織田作之助
町である。ことに土曜日の京都は、沼の底に妖しく光る夜光虫の青白い光のような夜が、悪の華の巷にひらいて、数々のいまわしい出来事が、頽廃のメシベから放つ毒々しい花粉....
「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
の薫《かおり》と同様の色合《いろあい》とをもっているであろうか。ボオドレエルの『悪の華』一巻はしばしば「いき」に近い感情を言表《いいあら》わしている。「空無の味....
旅愁」より 著者:横光利一
そう思う。だいいち、これは物理学でもなければ化学でもないからな。そのも一つ向うの悪の華みたいなものだ。こうなれば、一切の言葉が無になったと同様だよ。」 云い出....
扉は語らず」より 著者:小舟勝二
ある―― 花の巴里のどん底の 闇に咲いたる血の華は 罪と罰との泥水の 中に生れた悪の華……… それと同時に扉の間隙から、彼は意想外な光景を目撃した。彼の観念の....
夜光虫」より 著者:織田作之助
だ……?」 小沢はわざと冷淡な声を出しながら、窓の外の雨の音を聴いていた。……悪の華 午前六時の朝日会館――。 と、こうかけば読者は「午後六時の朝日会館」....
雑信(二)」より 著者:種田山頭火
は死もまた解決らしくさえない! △人生とは矛盾の別名である。矛盾に根ざして咲いた悪の華、それが芸術だと信じていた。今でもそう信じている。と同時に芸術はどうしても....