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悪例
「悪例〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
悪例の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「一円本流行の害毒と其裏面談」より 著者:宮武外骨
悪影響 融通金主の当惑 多数少国民を荼毒せし文弱化 印税成金の堕落 広告不信認の
悪例を作りし罪 国産用紙の浪費 批評不公正の悪習を促せし罪 製本技術の底下 通....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
》を如何にせん。もしクリトーンの勧言に従って脱獄するようなことがあれば、これ即ち
悪例を後進者に遺すものであって、かえって彼は青年の思想を惑乱する者であるという誹....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
。僕は知っている、近ごろ野心ある芸術家らが、不健全な評判を博そうと思って、一つの
悪例を残した。しかし、そういうふうにして彼らが弁護してる主旨に、実際彼らが多く役....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
か》ら反対の例となるの恐れなきにしも非《あら》ざれども、言わずにおれば、なおさら
悪例の一つとなるに過ぎぬから、しばらく読者の耳をかりたい。読者も必ず僕と同じ経験....
「日記」より 著者:宮本百合子
それには土匪の申出でに絶対服従をしなければならない。それでは余り無理が通りすぎ、
悪例を遺すことになるだろう。きかなければ、幾人かの無辜《むこ》の外人が、云うに堪....
「学問の独立」より 著者:福沢諭吉
政治の党派論をもって学校の生徒を煽動し、ついにその余毒を一国の社会に及ぼしたるの
悪例なり。教育の首領たる者が学校の生徒を左右するにあたりては、もとよりその首領の....
「学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
職分を破るものと言うべし。かつひとたび節を屈して不正の法に従うときは、後世子孫に
悪例を遺《のこ》して天下一般の弊風を醸《かも》しなすべし。古来日本にても愚民の上....
「申訳」より 著者:永井荷風
は共産主義の夜叉である。僕は図らずもこの両者に接して、現代の邦家を危くする二つの
悪例を目撃し、転《うたた》時難を憂るの念に堪えざる如き思があった。ここに此の贅言....
「良寛様の書」より 著者:北大路魯山人
一見坊さんの書であるという特色は誰の眼にも映って来るものである。そのはなはだしい
悪例は黄檗の書である。黄檗の書はまことに俗健そのものであって、雅美風流には貧弱で....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
出、各地の宮方蜂起――などのことが、誰からともなくつたわっていたらしい。 「この
悪例は、新田めがひらいたものだ。新田の帰国もゆるすではなかった」 いまとなって....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
およばぬ。政所へは悪しからず、おとりなし給わりたい」 「虫のいいことを。さような
悪例をひらいては、よその領主への徴税にも事を欠く。よろしい、世良田のお館でできぬ....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
も見られない悲惨な御末路と申すしかありません。 天皇幽閉、上皇|遠流などという
悪例も、この時にひらかれました。兵火は、一時やんでも、戦後戦は、なお冷たく戦われ....