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「悪友〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

悪友の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
土曜夫人」より 著者:織田作之助
すすまぬ旅行だ、それぐらいはしてもいいだろうと、春隆は思ったのである。 京都の悪友から遊びに来いと誘われて、東京を立ってから、もう一月以上にもなる春隆のもとへ....
鳥辺山心中」より 著者:岡本綺堂
半九郎を信用しなくなった。日ごろの親しみは頓《とみ》に薄らいで、彼は半九郎を兄の悪友と認めるようになった。 その半九郎が早朝から訪ねて来たので、源三郎はこれか....
青木の出京」より 著者:菊池寛
おいて、青木は雄吉にとって畏友であり、親友であり、同時に雄吉の身を滅ぼそうとする悪友であった。 雄吉は、初めて青木を知った頃の、彼に対する異常な尊敬を、思い出....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
声が店のほうからいかにもつっけんどんに聞こえて来る。ふだんから自分の一人むすこの悪友でもあるかのごとく思いなして、君が行くとかつてきげんのいい顔を見せた事のない....
黄鳥の嘆き」より 著者:甲賀三郎
父の業を継いで弁護士になり、今は或る先輩の事務所で見習い中だが、この頃学校時代の悪友達に会うと、直ぐ二川重明の事でひやかされるのには閉口した。 野村の悪友達は....
灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
友にわけ与えて喜んだ。盗むことの喜びは、試験をカンニングすることまでに延長した。悪友の隣の女の子は、宿題をきちんとして来て、私のために毎朝みせてくれたし、試験の....
金銭無情」より 著者:坂口安吾
だお客のないうちにやつてきて、 「やあ奥さん、僕はしらつぱくれてゐましたが最上の悪友で倉田といふ者です。最上にたのまれてお店の情勢を偵察といふのが仰せつかつた役....
ゴルフと「悪い仲間」」より 著者:坂口安吾
者に叩き起された由である。この一週間ほど前に河出書房のF君が来て、自分は安岡君の悪友で「悪い仲間」その他のモデルだと名乗り、安岡君について一席弁じていった。むや....
前記天満焼」より 著者:国枝史郎
珊瑚は古渡りらしく、これ一つだけで数十金はしよう。秘蔵がられている豪商の息子が、悪友のために惑わされ、いい気になって不頼漢を気取り、悪所通いをしているという、一....
火の扉」より 著者:岸田国士
頭を抱えながら、傍らへつぶやく。 「和昌君の兄貴の親友でもあり、北原先生の許嫁の悪友でもあります。あ、いた、ほんとじやないか」 北原ミユキがどこかをつねつたと....
曲亭馬琴」より 著者:邦枝完二
といえば必ず吉原にとぐろを巻いている筈の京伝が、幾年振りかで家にいると聞いた善友悪友が、われもわれもと押しかけて来る接待に悩まされ続けては、流石《さすが》に夜を....
血の盃」より 著者:小酒井不木
のあさ子に対する態度は今迄のように無頓着なものではなくなった。ことに良雄は東京で悪友に誘われて遊里に出入りすることを覚えたのであるから、それでなくてさえ、いわゆ....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
り、けっして土地は手離さない決心だという。「なぜなら、わたしはフランシスの欲深な悪友どもや悪魔の手先たちに、お金を使われたくないからです。そのお金であの人たちは....
女靴下の話」より 著者:西東三鬼
持である。さてその朝帰りの玄関に出迎えたのが、思いきや、十年以上も会わない東京の悪友で、のつけのセリフが「おかえんなさいまし、エヘヘ」であつた。どさくさまぎれの....
魂の喘ぎ」より 著者:大倉燁子
の注意、登校していることとばかり思っていたのにどうしたのでしょう。よく調べますと悪友に誘われて途中から外れるらしいのでその母君に私からお頼みに行きますと、意外に....