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悪名
「悪名〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
悪名の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
術《じきょうじゅつ》の道具を当然「自ら欺かざるの記」に求めた。――
「予の蒙れる
悪名は多けれども、分つて三と為すことを得べし。
「その一は文弱也。文弱とは肉体の....
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
屋《ほうじょうや》夫婦に、悪意があったのではありません。わたしのように四十年間、
悪名《あくみょう》ばかり負っているものには、他人の、――殊に幸福らしい他人の不幸....
「二人小町」より 著者:芥川竜之介
―あの男たらしを守護するのですか?
神将 黙れ! か弱い女をいじめるばかりか、
悪名《あくみょう》を着せるとは怪《け》しからぬやつじゃ。
使 何が
悪名です? ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
うとう七十五両をまきあげて行ったというわけで、別にゆすりとか騙《かた》りとかいう
悪名《あくみょう》をきせることも出来ないのです。それから一方の侍は何者かというと....
「乱世」より 著者:菊池寛
の御養子であるが、万之助様は、当家の正統である。定敬公が、禁闕に発砲して、朝敵の
悪名を被ていられる以上、万之助様を擁立して、どこまでも朝廷に恭順の誠を表するのが....
「応仁の乱」より 著者:菊池寛
出さる」とある。 戦乱の末期 此の戦乱の後期で注目す可きは賊軍の
悪名を受けた西軍が南朝の後裔を戴いたことである。日尊と称する方で、紀伊に兵を挙げ....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
者もあります。自分は五十を余すこと六ツ、命を惜しみはいたしません、然し冤罪の下に
悪名を帯び斃れる事を嘆くものであります。神楽坂署で申立ての土方を頼み放火させた覚....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
文芸家によって、哲学者の神聖なる努力と豊富なる功績とがいたずらに人生の傍観者なる
悪名の裡に葬り去られんとするのは憤慨すべき事実である。われら哲学の学徒より見れば....
「転機」より 著者:伊藤野枝
。今まで私の全生活を庇護してくれたいっさいのものを捨てた私は、背負い切れぬほどの
悪名と反感とを贈られて、その転機を正しく潜りぬけた。私は新たな世界へ一歩踏み出し....
「成長が生んだ私の恋愛破綻」より 著者:伊藤野枝
出来ずに暮らしている人をたくさん知っています。そして、私はたとえ自分がどれほどの
悪名を被せられようとも正しく生きてきた事をよろこんでいます。 よく、結婚して、....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
く……さては……少い女が先刻―― (ここは地獄ですもの。) と言ったのも、この
悪名所を意味するのか。……キャッと叫ぶ、ヒイと泣く、それ、貫かれた、抉られた……....
「梟雄」より 著者:坂口安吾
にさいたり、釜ゆでにして、その釜を罪人の女房や親兄弟に焚かせたりした。 道三の
悪名はみるみる日本中にひろまった。日本一の悪党という名は彼のものである。彼ぐらい....
「西荻随筆」より 著者:坂口安吾
まり、太宰事件の直後らしい。情痴作家という噂もなかった太宰でもあれくらいだから、
悪名高いアンゴは大いにやるべきである。西荻のアンゴ氏がこう判断した心境も分らない....
「水鳥亭」より 著者:坂口安吾
はくだらぬ私物を大事にして、人から托された国宝的な図書を焼いてしまった、と後世に
悪名を残すのは私ですよ。それほど学術的価値のあるものでしたら、文部省とか、大学な....
「前記天満焼」より 著者:国枝史郎
尚フラフラと歩いて行く。 「人を殺したこの俺だ、浪人をしてゴロン棒となり、汚名
悪名受けてやろう! 手段はない、この他には。……」 どことも知れず行ってしまっ....